山登りのススメ Vol.33 ~鎌倉アルプス~

古都・鎌倉は南側を海、残る三方を山に囲まれた天然の要害であったと、歴史の授業で教わった記憶がある。その都を守った北側の山稜には天園ハイキングコースがあり、別名「鎌倉アルプス」とも呼ばれている。

鎌倉アルプスは全長約5.5キロ。所々で鎌倉の街並みと湘南の海を一望できる眺望の良さに加え、都内からのアクセスがいいことからハイカーや登山者に人気がある。最高峰は大平山で標高159メートル。決して高い山ではないものの、頂上からの眺めは標高以上の素晴らしさがある。

アウトドア仲間がSNSにアップした鎌倉アルプスの写真を見て以来、一度歩いてみたいと思っていた山で、今月10日に行ってきた。

鎌倉アルプスハイキングレポート

今回のルートは、まず最初に北鎌倉駅を出発して今泉台住宅地付近まで歩き、そこから天園ハイキングコースへ入って大平山を登った後に瑞泉寺へ降りるものである。夕日に染まる鎌倉の街と海を見たかったので、少し遅い時間に北鎌倉駅を出発した。

駅の改札を出ると県道21号線があるので、それを鎌倉方面に歩いて行く。

400メートルほど歩いたところにある踏切を渡り、明月院方面へ向かう脇道に入る。

入ってすぐの所に細い川があってモミジの葉がたくさん落ちていた。1月だというのにまるで秋のような光景にびっくり。

明月院へ向かう途中の道沿いには閑静な雰囲気が漂っている。

明月院の前を通り過ぎ、今泉台住宅地の方へと歩いて行くと珈琲店がある。店の先の右手には坂道があり、ここを上っていく。

100メートルほど上ると天園ハイキングコースを示す標識がある。標識にしたがって、小さな脇道に入る。

1分も上ると脇道は未舗装の山道へと変わる。天園ハイキングコースの始まりである。北鎌倉駅からここまでの所要時間はおよそ30分ほど。

ハイキングコースの道はしっかりとしていて、とても歩きやすい。

起伏は少なく、坂があっても比較的緩やかである。

コースの大半は樹林帯歩き。しかし、所々で眺望を楽しむこともできる。コースの北側にはみなとみらいのビル群が見えた。

南側にはお目当ての鎌倉の街並みと相模湾が広がっている。この日は天気もよく、鶴岡八幡宮前の大通りも見える。

ハイキングコースを歩き始めて1時間ほどで大平山の山頂に到着。

山頂付近は広く平坦になっており、まるで広場のよう。昼食を取るのに適している。ただし、木陰はほとんどないので、夏場の日中はコースの途中にところどころある、樹林帯の中の少し開けた場所で休む方がいいかもしれない。

山頂付近からは鎌倉市街と相模湾、さらに奥には伊豆半島を見ることができる。