【地球温暖化問題】温暖化がもたらす影響について

先日、ぽたるページで二酸化炭素の増加がもたらすであろう地球温暖化についてご紹介しました。

現在、温暖化を抑制するために様々な取り組みが行われています。しかし、世界の平均気温が上がるといったい何が問題なのか。今日は地球の温暖化がもたらす影響について調べてみました。

地球温暖化による影響について

地球温暖化の影響については様々な考え方や意見があります。しかし、多くの研究者は温暖化が悪影響をもたらすことを指摘しています。その主な影響として次のものがあります。

○海面の上昇について
温暖化の影響でよく言われるものに「海面の上昇」があります。人為起源による気候変化や影響などを科学的見地等から評価を行う国際組織、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書では、1901~2010年の間に世界の平均海面水位は19cm上昇したと見積もっており、そして今世紀末には最大で82cmの上昇を予測しています。

「世界平均海面水位の変化」(気象庁ホームページより)

海面が上がると当然、低い土地は水没してしまいます。海抜の低いツバル、キリバス、モルディブといった島国では国の存続自体が危惧されているのはよく知られている話です。ツバルでは現在、毎年一定枠内でニュージランドへ移住を行っているそうです。

また、仮に水没は免れたとしても、海抜の低い場所では高潮などのリスクが増大します。

○穀物生産量と干ばつについて
温暖化が進むと豊かな国と貧しい国の格差が拡大することが懸念されます。世界平均気温の上昇の程度にもよりますが、気温が上がると低緯度の地域では穀物の生産量が減少したり、干ばつになると言われています。一方、中高緯度地域の穀物生産量は増加し、高緯度地域では利用できる水の量が増えると考えられています。

発展途上国の多くは低緯度地域に、先進国の多くは中高緯度地域にあり、両者の格差が拡大することが考えられます。発展途上国では今以上に多くの人の命が失われたり、社会が不安定になる恐れがあります。広がる格差に不満が増大し、新たな不安要素が生まれることも心配です。

中高緯度地域の穀物生産量が増加するのは、温暖化が比較的緩やかに進んだ場合であって、もし世界平均気温が2~3度を超えて上昇したケースでは、全ての地域で穀物生産量の減少や水不足に襲われると考えられています。そのような状況になった時、先進国が不足する食料を輸入することにより、発展途上国の食料事情がさらに悪化する可能性も考えられます。

○異常気象の増加について
台風(熱帯低気圧)のエネルギーのほとんどは海から放出された水蒸気が元になっており、海面水温が28度以上の場所で発生し、発達すると言われています。このことから、海面の水温が上がることにより台風の巨大化が指摘されています。

また近年、増加傾向にある極端な高温や大雨は温暖化が関わっていると見方も多くあります。

○生態系への影響について
温暖化により生態系に変化がでてきていると言われています。近年、北極海の氷が溶けてホッキョクグマの生息域が少なくなっているという話はたびたび耳にしますし、日本においても陸上や海の中で、これまで熱帯の地域にしか見られなかった生物が目撃されている話をよく聞きます。

以上、地球の平均気温が上昇することによってもたらされると考えられている主な影響です。

地球温暖化への対応で求められる「緩和」と「適応」

地球温暖化対策として「緩和」と「適応」が求められています。これは温暖化を促進させると考えられている温室効果ガスを削減するなどして気温上昇を「緩和」させるのと同時に、温暖化に備えて作物の品種改良、灌漑設備の強化、水害対策等を行い、温暖化に「適応」することが重要なのだそうです。

温暖化やその影響についてはまだわからないことも多く、様々な考え方、意見があります。どちらが正しいのか確かなことはわかりませんが、100、200年前と比べて人間が地球環境に与えるインパクトが増大していることは間違いなく、温暖化について関心を持ち、私達ができることを考えることは大切だと思います。