黒沢池ヒュッテから妙高山の山頂へ行くには一度、外輪山を越える必要がある。ヒュッテから外輪山外側の斜面を登って行く。
黒沢池ヒュッテから30分ほど登ると、外輪山上にある峠、大倉乗越(おおくらのっこし)にでる。
大倉乗越まで来ると妙高山が姿を現す。近くで見るとより重量感を覚え、迫力がある。
この日、往きはガスがかかって視界はなかったのだが、晴れていれば写真(※下山時に撮影)のような妙高山を見ることができる。
大倉乗越を越えると、登山道は外輪山内側の中腹まで下り、そして水平方向への移動となる。内側の傾斜はけっこう急である。
下に目をやると長助池が見える。(※下山時に撮影)
水平方向への移動の終わりに沢があるので渡る。8月中旬にもかかわらず、まだ雪渓が残っていた。
長助池分岐点。木製のベンチがあるので休憩するのに最適である。ちなみに黒沢池ヒュッテから妙高山山頂までの区間で、通行する登山者の邪魔にならずにゆっくりと休める広さがあるのは大倉乗越と長助池分岐点のみ。
長助池分岐ポイントからは再び急な登り坂となる。山頂までの標高差はおよそ400m。
長助池分岐から1時間10分ほど登ると妙高山の北峰にたどり着く。標高は2446m。到着時はガスがかかり眺望はなかった。最高地点である南峰へ向かう。
妙高山南峰に登頂!
ここが最高地点。標高は2,454m。
山頂付近を歩いていると大きなテントウムシを見つけて少しびっくり。
このテントウムシはカメノコテントウと言い、日本にいるテントウムシ科では最大の種であるらしい。体長は11~13mmほどで強く美しい光沢を持っている。
南峰付近でのんびりしているとガスが薄くなり始めてきた。
そして、さらに時間が経つと妙高高原の街などが見えるまでに展望が良くなる。
南峰登頂時には見えなかった北峰を見通せるようになる。
北峰と南峰はそれほど標高差が感じられず、1つの広い山頂のように思えなくもない。山頂には巨石が点在しており、さながら石の庭園のようで素晴らしい。
てっぺんからの景色を40、50分ほど楽しむと来た道を引き返して、笹ヶ峰の登山口へ下山した。
妙高山について
富士山のように均整がとれた山容でどこから見ても比較的同じように見える山もあれば、見る位置によって印象が大きく異なる山もある。
今回初めて妙高山に登ったため、他の登山コースについてはわからないものの、妙高は後者ではないかと思っている。きっと、別のルートから登れば違った顔を見せてくれるに違いない。機会があれば次は燕温泉の登山口からも登ってみたい。
学生時代から気になっていた妙高山。やっと登ることができ、大きな達成感を覚えた山行だった。聞くところによれば、「妙高」とは仏教界でいう「世界の中心の山」という意味の訳語とのことである。その姿を見ていると、山名の由来も納得できる北信の名峰である。
妙高山
※黒沢池湿原の写真は下山時に撮影
参考WEBサイト
Text & Photo(出典元記載画像を除く):sKenji