6月24日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
故障して2日間放置していたサンプル採取器が設置された排水路の水で、トリチウム濃度がNDから2,500ベクレルに急上昇
※構内排水路の定例分析について、2015年6月16日、17日のC排水路35m盤での採取が採水器の不具合により水の採取が出来なかった。
6月18日に採水器を補修し、当該排水路の水を採取して分析したところ、トリチウム濃度が、前回値(6月10日採取)の検出限界値(9.1Bq/L)未満に対して、6月18日の分析では2,500Bq/Lと上昇していることを確認した。
なお、C排水路35m盤採取箇所の約5m下流側に設置している構内側溝排水放射線モニタ近傍のトリチウム濃度の分析結果については、6月18日採取分で、検出限界値(2.7Bq/L)未満、6月19日採取分で、4.7Bq/Lと有意な上昇はないことから、今後、分析の過程における放射性物質の混入の可能性も含めて、トリチウム濃度上昇の原因を調査していく。
今回のトリチウム濃度上昇については、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則に定める告示濃度限度以下の値であることを確認。
サンプル採取器の故障を6月16日、17日と放置しておいて、18日に排水路の水を分析してみたら、トリチウム濃度がNDから2,500に!
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しかし、約5m下流側に設置している構内側溝排水放射線モニタ近傍のトリチウム濃度に大きな変化は見られない
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分析の過程における放射性物質の混入の可能性も含めて、トリチウム濃度上昇の原因を調査しますとのこと
※ 初動の段階で2日間放置しておいて、「分析過程で混ざったせいかも」などと言っているようでは信頼回復など覚束ないだろう。
5号機燃料プールの冷却を停止。計測用電源の切替えのため。作業を終了し4時間40分後に冷却を再開
※5号機使用済燃料プール冷却浄化系について、計測用電源の切替操作を行うため、6月24日午前9時48分に停止。冷却停止時の使用済燃料プール(以下SFP)水温度は22.6℃。5号機冷却浄化系停止時のSFP水の温度上昇率は約0.247℃/hであり、停止中(約7時間)のSFP水温度上昇は最大で約2℃と評価しており、運転上の制限値65℃に対して余裕があることから、SFP水温度の管理上は問題ない。
同作業が終了したことから、同日午後2時28分に5号機使用済燃料プール冷却浄化系を起動。運転状態に異常なしを確認。
3号機廃棄物地下貯蔵設備建屋、廃スラッジ貯蔵タンク(A)周辺で滞留水のコバルト-60濃度が1ケタ上昇した件の続報。建屋周辺地下水への影響はないと示すするため、サブドレン水を分析
廃スラッジ貯蔵タンク(A)内部水、廃スラッジ貯蔵タンク(A)および(B)エリア滞留水の分析結果(コバルト60)は、以下の通り。(6月22日採取)
【コバルト60】
廃スラッジ貯蔵タンク(A)内部水: 6.0×104Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(A)エリア滞留水(下部): 1.7×104Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(B)エリア滞留水(下部): 1.6×104Bq/L
<参考>(2月5日採取)
廃スラッジ貯蔵タンク(A)エリア滞留水: 3.1×103Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(B)エリア滞留水: 2.6×103Bq/L
なお、6月22日(12時頃)のFSTR建屋水位は、OP2,751mmであり、6月22日(12時頃)の近傍サブドレン水位(N9:OP7,522mm、N10:OP8,275mm)より低い水位であることから、FSTR建屋外への流出はないものと判断。
また、FSTR建屋に設置している廃スラッジ貯蔵タンク(B)および原子炉冷却材浄化系廃樹脂貯蔵タンクについては、異常がないことを確認。
今後、廃スラッジ貯蔵タンク(A)が変形した原因の調査および対応方針について検討していく。(既出)
FSTR建屋近傍のサブドレン水(N9、N10)の分析結果(採取日:6月23日)
【コバルト60】
サブドレン水(N9): 検出限界値(6.2 Bq/L)未満
サブドレン水(N10): 検出限界値(7.6 Bq/L)未満
この分析結果から、サブドレン水(N9、N10)のコバルト60濃度は、共に検出限界値未満であるため、FSTR建屋から同建屋外への滞留水の流出はないものと判断。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月21日午前10時25分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「停止中」(ただし下線はなし)
・セシウム吸着装置停止中
6月19日の日報で、セシウム吸着装置・第二セシウム吸着装置(サリー)ともに「運転中」と表記されていたが、6月24日、セシウム吸着装置のみ「停止中」に。ただし新規事項を示す下線はない。
その他の項目に新規事項なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~海洋への排水を開始(通算70回目)
6月24日午前10時10分より海洋への排水を開始。同日午前10時30分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス揚水井分析結果(6月22日採取)揚水井No.10でトリチウムが過去最高の1,300ベクレル
<過去最高値>地下水バイパス揚水井No.10
トリチウム(H-3):1,300Bq/L(2015年6月22日採取)
これまでの最高値:1,100Bq/L(2015年4月20日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月23日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~6月23日は「悪天候により採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。