石巻まちなかの再開発計画が白紙に

石巻の昔ながらの商店街、いわゆるまちなかエリアでは6件の再開発が進められてきた。細かく区画された土地を整理して、店舗や住居、公共施設、避難場所にもなる屋上公園などを備える施設を建設しようという計画が進められている。

震災で津波被害を受ける前からシャッターを下ろしたいわば「シャッター商店街」だった石巻に、再開発によって魅力的なまちなかが再生されるチャンスとして、市民の注目度も高い。

しかし、そんな中、ショッキングな出来事が報道された。

再開発事業計画、白紙に

石巻かほくのネットニュースは伝える。

 石巻市中心市街地の再開発事業の一つ、立町1丁目4.5番地区の計画が、地権者全員(22人)の合意に至らず白紙になった。計画が頓挫したことで、準備組合は解散する。

 準備組合は「この時期を逃したら、再開発はもうできない」として基本計画を策定し、歴史的な再開発事業により新たな街並みを整備して中心商店街の復活を目指してきたが、地権者1人の理解・協力を得られなかった。

引用元:NEWS石巻かほく:再開発事業計画、白紙に 石巻市立町1丁目4・5番地区|メディア猫の目

予定されていた施設は、駅前商店街ともいえる立町通りと、直交する寿町通りに面する立町1丁目4・5番地区と呼ばれるエリアに、一部9階建てのビルを建設。地権者等の店舗や住居の他、スーパー「ヨークベニマル」が出店し、駐車場や復興公営住宅が設けられる計画だった。

22分の1の反対での頓挫

地元の人たちの反応は、「残念だ」というものばかりだ。石巻日日新聞は「暖流寒流」のコーナーで、かつて立町通りが一方通行だった時代のある出来事を引用した。一方通行では駅側からの出入りもできず不便なので相互交通にしようとした際、通りの南側の商店主から異論が出たというのだ。

いわく「うちの店に来るお客が半分になってしまう」。左車線に駐車して買い物をしている人たちが、向かいの店にも流れてしまうということらしいが、これには驚いた。

引用元:暖流寒流 | 石巻日日新聞 2015年5月25日

今回の計画白紙につながった反対の理由が、商売上のわがままであるかどうかはわからない。河北新報は反対した商店主の言葉を次のように伝えている。

石巻はもともとシャッター街。補助金があるからと飛びつくのではなく、足元を見て個々の店が努力していくべきだ

引用元:石巻中心市街地の再開発白紙 準備組合解散へ | 河北新報オンラインニュース

たしかに言っていることは正論だ。石巻のまちなかはシャッター商店街だし、5分の4が国費で賄われるからといって安易に飛びついて、完成後にゴーストタウンになるようなことでは意味がない。

被災した地域の多くで再開発が進められている。壊れた町を再生し、かつてより以上に良いまちに作りかえていく――。耳障りのいい言葉ではある。しかし、実際には単純に考えることのできない問題があるということを、私たちは知っておきたい。