【火山防災】降灰予報が変わります!

気象庁は、火山噴火の降灰予報を今日3月24日からバージョンアップし、新しい予報を順次スタートさせます。これまでの降灰予報は、噴火後に「いつごろ」、「どの地域」に火山灰が降るかだけのものであったのに対して、新しい予報ではこれらの情報に加えて噴火前の予報や降灰量(※「多量」、「やや多量」「少量」の3段階)も出されます。また、降灰が予想される地域について、都道府県ごとだったものが市町村レベルで発表されるようになります。

3つの降灰予報について

新しい降灰予報では、「噴火前(降灰予報(定時))」、「噴火直後(降灰予報(速報))」、「噴火後(降灰予報(詳細))」の3段階で出されるようになります。それぞれの詳細は次のようになっています。

○噴火前
噴火前の「降灰予報(定時)」は、日本に110ある活火山の全てで発表されるものではなく、火山活動が高まり、噴火の可能性が高い火山に対してのみ「定期的」に出されます。

情報は、直径2mm以下の「火山灰」と風の影響を受けて遠くまで運ばれる「小さな噴石」が降る地域を、噴火から18時間後まで、3時間ごとの移り変わりを示します。

噴火前の予報では降灰量の情報は表されていません。

出典:気象庁ホームページ

www.data.jma.go.jp

○噴火直後
噴火直後の「降灰予報(速報)」は「やや多量」以上の降灰が予想された際に、噴火から5~10分後に発表されます。

情報は、1時間以内に「小さな噴石」と「火山灰」が降る範囲を、降灰量と共に出されます。

注意が必要なのは、降灰予報(速報)は迅速性を優先して、噴火前に計算された複数の降灰予報の中から適切なものを抽出して発表されることです。そのため、この後に出される降灰予報(詳細)よりも精度では劣ります。

出典:気象庁ホームページ

www.data.jma.go.jp

○噴火後
噴火後の「降灰予報(詳細)」は、実際に観測した噴煙の高さを用いて精度の高い予報を噴火から20~30分後に発表します。

情報は、降灰開始時刻と降灰量について、1時間ごと、6時間先まで出されます。実際の噴煙の高さなどを計測しているために、噴火直後の「降灰予報(速報)」よりも精度が高い予報となっています。

出典:気象庁ホームページ

www.data.jma.go.jp

気象庁では現在、試験的に鹿児島県の桜島の降灰予報を新しいもので発表しています。一度ご覧になるとイメージしやすいと思います。

降灰による影響

降灰予報で使われる3段階の降灰量の詳細は次のようになっています。

・多量:降灰の厚さが1mm以上
・やや多量:降灰の厚さが0.1mm~1mm
・少量:降灰の厚さが0.1mm未満

降灰量とその影響等について、気象庁のWEBサイトに詳しいものがありますのでご紹介します。

火山灰が少し降っただけでも自動車のスリップや航空機のエンジントラブルなどにつながり、交通機能を麻痺させます。そのほかにも火山灰の重みで電線が切れたり、送電設備の故障による停電の発生や、水道施設への降灰によって給水障害が生じる恐れがあります。家庭や職場においては、コンピューターの内部に灰が入り、故障することも考えられます。

また、呼吸器系などの健康を害する恐れもあります。火山灰の粒子は細かく、肺の奥まで入り込むことがあります。主成分はガラスや鉱物で、表面を顕微鏡で見るとトゲのようになっており、吸いこんだり目に入ったりすると炎症や痛みの症状がでることもあります。まれではありますが最悪の場合、深刻な肺の病気になることもあるそうです。

大量に降ると状況はより深刻になります。火山灰は想像以上に重く、1センチ積もるとその重さは1平方メートルあたり10~17キログラムになり、約30センチ積もると木造家屋が倒壊する恐れがでてきます。雨が降った時は特に要注意で、水を含むと重量が約1.5倍になると言われています。

新しい降灰予報の活用方法

新しい降灰予報の特長は「降灰量」と「噴火前からの予報」が発表されることです。あくまでも事前の予測であり確実なものではないものの、火山活動が活発化した地域に住んでいる方は、天気予報のように外出する際にチェックをして、該当地域を出歩く場合には、特にマスクや傘、できれば防塵ゴーグルなどを携帯をするといいかもしれません。また、噴火前の「降灰予報(定時)」を定期的に確認することで防災意識の向上にもつながります。今日から始まる新しい降灰予報。状況に応じて活用していきたいですね。

参考WEBサイト

紹介:sKenji