【大震災を自分事に】3月13日の壁新聞「各地より救援隊!」

オープンに向けて準備が進められていた「石巻ニューゼ」(2012年10月21日撮影)
平成23年3月13日(日)
石巻日日新聞「号外」

各地より救難隊到着

被害状況が徐々に明らかに
東北関東大震災

電気からライフライン復旧へ

引用元:石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月13日(日)号

見出しだけを引用します。手書きの壁新聞の実物は、石巻市の町中に解説された「ニューゼ石巻」に展示されています。被災した状況の中で、実際に生身の人間が、フェルトペンで文字を走らせて書き上げた壁新聞の迫力は、その場で対面しなければ伝わるものではありません。

壁新聞が担った意味を実感していただきたいので、壁新聞の拡大写真は載せないことにします。ぜひ、直接実物を石巻でご覧頂きたいと思います。

壁新聞の内容を見てみましょう。この壁新聞は巨大津波から2日後に発行されたものです。石巻の人たちに話を聞くと、もともと江戸時代の運河を埋め立てた町の中心部は長期間にわたって津波で浸水した水が引かず、自衛隊の人たちがボート等を使って孤立した人々を救出していた時期だったそうです。

「各地から救難隊到着」「電気からライフライン復旧へ」といった言葉だけを見ると、早くも復旧への動きが本格化したように見えますが、実際には、苦しい状況が続く人々に対して、言葉の力で安心や心の安定を得てほしいという切実な願いがこめられているのです。

たしかに、全国から、そして世界からも救助隊が到着し始めていました。しかし、生存者の救出が極めて困難だったこともまた事実です。震災から2度目の朝を迎え、非情な現実に直面した地域の人々を少しでも勇気づけたい、元気づけたい、そんな思いがこの壁新聞から、ひしひしと伝わってくるのです。

そして、前日に引き続き赤い文字で記された言葉はこれです。

正確な情報で行動を!

引用元:石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月13日号

地域のことを一番よく知る、地域紙の現場記者たちは、地域の置かれた危機の正体を一番よく知っていたのです。

絆の駅「石巻ニューゼ」