びっくり。乞食をしたら書類送検!

「高松駅の近くにいるので、このカップにお年玉を入れて下さい」動画配信サイトの生中継で物乞い行為(こじき)をした香川県の男性(23歳)が軽犯罪法違反で書類送検されたとのこと。47ニュース、朝日新聞など新聞各紙が伝えた。

電子政府の総合窓口イーガブの法令データ提供システムで調べてみると、確かに。

◆軽犯罪法◆
(昭和二十三年五月一日法律第三十九号)
最終改正年月日:昭和四八年一〇月一日法律第一〇五号

第一条
 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

(略)

二十二 こじきをし、又はこじきをさせた者

引用元:軽犯罪法(法令データ提供システム|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ)

J-CASTニュースによると、男性の呼びかけにはさんざん批判的なコメントが返されていたそうだ。また、この男性の物乞い中継については、ずいぶん前から警察に苦情が寄せられ、警察も男性に止めるように注意していたとも伝えている。

ちょっと「?」で下手すると笑ってしまうくらいのこのニュース、恐怖時代の幕開けを告げるものでなければよいのだが。

ちなみに軽犯罪法の2条以下には次のように定められている。

第二条  前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。

第三条  第一条の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。

第四条  この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

引用元:軽犯罪法(法令データ提供システム|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ)

軽犯罪法を犯した場合、情状によっては罪を免除することもできるし、逆に勾留プラス科料を併せて科すこともできる。教唆したり幇助した者も同罪に問うこともできる。つまり、物乞いのネット生中継を煽っただけでもアウトと拡大解釈できないこともない。軽とは言っても運用次第では恐ろしい法律なのだ。

しかし最後の第四条、この法律の適用は本来の目的を逸脱して濫用してはならない(つまり別件逮捕等を戒めているということか)とあるあたり、法律が制定された時代のバランス感覚や良心が感じられなくもない。