1号機建屋カバーの屋根パネル6枚のうち1枚が取り外された状況にある福島第一原発で「ダストモニタ高高」の警報が発生しました。事態は「報道関係各位一斉メール」では発信されず、毎日更新の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」で発表されただけでしたが、おそらく事故原発には緊張が走ったことでしょう。
※ 11月2日午前11時36分、3号機南側連続ダストモニタにおいて、「ダストモニタ高高(警報設定値:1.0×10^-4Bq/cm3)」の警報が発生。
警報発生時、1号機建屋カバー解体作業および周辺での作業は実施していない。
また、当該ダストモニタは、1号機原子炉建屋の風上(集中廃棄物処理施設南側)に設置されている。なお、他のダストモニタおよびモニタリングポストの異常は確認されていない。
その後、現場で手分析を行った結果、検出限界値未満(1.1×10^-5Bq/cm3)であることから、機器の異常と判断したため、今後、当該ダストモニタについて予備品と交換を実施。
6枚の屋根パネルのうちの1枚を外し、様子を見てから今週にも2枚目の屋根パネルの撤去作業を予定していたわけですから、このタイミングでの警報発生に事故原発の関係者が非常に大きな危機感を持ったであろうことは想像に難くありません。日報で東京電力は「警報発生時、1号機建屋カバー解体作業および周辺での作業は実施していない。」とわざわざ記載していますが、パネルを撤去している期間中は、放射性物質を含むダストの挙動の観測が非常に重大なテーマとされているからです。
屋根パネルを2枚取り外した後,一定期間ダストの状況を傾向監視した後、オペレーティングフロアのガレキ状況調査やダスト濃度調査等を行います。取り外した屋根パネルは、12月初旬までに一旦,屋根に戻します。
引用元:福島第一原子力発電所1号機 建屋カバー解体に向けた飛散防止剤散布と調査の事前実施について|東京電力 平成26年10月15日
発表に接した地元福島の人たちがどう思ったか、疑念を払しょくするには、真摯な対応を取り続けてもらうほかありません。
シビアな設定だからこそ、愚直にしっかりした対応を
日報によると、警報発生の設定値は1cm3あたり1.0×10^-4Bqという数値だったとのことです。これは1リットル、つまり10センチ角の立方体あたり0.1ベクレルに相当します。少し驚きだったが、検出限界値(1.1×10^-5Bq/cm3)と、警報が発生する設定値と1ケタしか違わないことです。
それだけシビアな設定をしているということは評価されるべきところですが、設定条件が厳しいだけに、今後も警報発生は頻発する可能性があります。
大切なことはその都度、しっかりした対応を取ってもらうこと。安易な「だろう」判断は信頼を損ねることにつながりかねません。
モニタリングポストの設置場所、屋根パネルの作業順序など。リスケ前の9月11日に公開。