芦ノ湖&富士山を眺めるならばここがいい! ~恩賜箱根公園~

東京からのアクセスもいい人気の観光スポットである箱根・芦ノ湖。同湖と富士山を同時に眺めるのに最適なのが「恩賜箱根公園」である。先週の土曜日、同園を訪れてみた。

恩賜箱根公園について

恩賜箱根公園には、皇族の避暑地と外国からの賓客を接待するために明治時代に造られた離宮があった。しかし、離宮は1923年の関東大震災と1930年の北伊豆地震により倒壊している。再建計画があったものの、第二次世界大戦に突入して計画は打ち切られている。終戦の翌年である1946年、離宮跡地が神奈川県に御下賜されると、同県が整備を行って一般公開をし、現在にいたっている。

恩賜箱根公園はもともと皇族も利用する離宮があった場所だけに、芦ノ湖近辺でも眺めが最高にいい場所にある。芦ノ湖南岸に突き出た、逆三角形のような岬の全域が公園となっている。岬の最高地点は湖面から約40mほどであり、園内には2階建ての西洋風の建物や美しく手入れされた庭のほか、岬を周回するように遊歩道が設けられている。
晴れれば芦ノ湖とその奥にそびえる富士山を一望することができる風光明媚な場所である。

恩賜箱根公園を歩く

公園からの眺望は素晴らしく、園内にある展望台や湖畔展望館から芦ノ湖や富士山を眺めるだけでも十分満足できる。しかし、園内に設けられている散策路を歩いてみると、さらに同公園の魅力を感じることができる。

園内に設置された看板には、同公園の見どころとして八つのポイントが紹介されていたので案内通りに歩いてみた。その上で、園内にある八つのおすすめポイントを紹介する。

園内に設置されていた看板。八景のポイントが示されている

一つ目は「芦川橋」である。江戸時代に東海道の名橋と言われた3つの石橋のひとつで、もともと箱根町芦川地区の旧街道に架かっていたものを現在の場所に移して保存している。小さくかわいらしい大きさの橋である。欄干や桁の風合いが江戸時代に造られたことを感じさせてくれる。

二つ目は「二百階段」である。離宮建設当時に造られたものがそのまま残っている貴重な石段である。段数を数えてみるとその名の通り二百段ほどある園内で一番長い階段である。

三つ目は「中央広場」である。二百階段を登りきると、岬の高台に広がる中央広場にでる。広場には西洋風建築の湖畔展望館が建てられており、明治時代のレトロな雰囲気が漂う広場である。

四つ目は「湖畔展望館」である。明治時代に離宮が造られた際、西洋風と日本風の2つの建物が建てられた。しかし、関東大震災など2度の地震により建物は倒壊してしまった。「湖畔展望館」は近年、旧西洋館をモチーフにして建てられたものである。

1階には旧離宮に関する資料を展示した部屋があり、2階には喫茶コーナーがある。2階のベランダからの眺めは素晴らしく、芦ノ湖を一望することできる。入館は無料で、2階の喫茶コーナーも自由に利用できる。

五つ目は「ヒメシャラ林」である。ヒメシャラはツバキ科の植物で箱根を代表する樹木である。光沢感ある赤褐色の幹はツルツルしており、美しい。

六つ目は「弁天の鼻展望台」である。公園高台の湖側に芦ノ湖と富士山を望むよう作られた展望台で、六角形をした屋根を持つあづまやがある。湖側の眺めも素晴らしいが、反対側の光景も、手入れが行き届いた植物と湖畔展望館の組み合わせが明治時代を彷彿させるようで個人的に好きである。

七つ目は「塔の鼻広場」である。離宮が作れらた当時から展望広場としてあった場所で、公園として開放されてからは休憩広場となっている。広場からは芦ノ湖や富士山を見ることができる。

八つ目は「湖畔の広場」である。芦ノ湖は面積の割に自然の浜が少ない。広場には小さいながらも浜があり、湖面の高さから湖を見ることできる。浜からは箱根関所資料館が見え、そこだけ見ていると江戸時代の光景のようである。

個人差はあるものの、全て見てまわって所要時間は約1時間~1時間半くらいである。紹介したポイントの他にも、所々に美しいコケや眺めのいい場所があり、箱根の自然を楽しむことができる。

恩賜箱根公園は「芦ノ湖と富士山の眺め」を「気軽」に「のんびり」楽しむのに最適な公園である。

恩賜箱根公園

参考WEBサイト

Text & Photo:sKenji