2014年8月24日 今日の東電プレスリリース

原子炉構内約1.2キロに及ぶ油の滴下痕。原因となった車両は未特定

8月24日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

構内汐見坂から3号機タービン建屋に向かう道に、油の滴下跡が点々と

ろ過水タンクから汐見坂を通って3号機タービン建屋までの道のり(Google Mapに加筆)
※8月23日、構内汐見坂から3号機タービン建屋に向かう路上に、車両から漏えいした油と思われる滴下跡があることを協力企業作業員が確認。その後、同日午後4時2分に一般回線にて双葉消防本部へ連絡。現場調査の結果、油と思われる滴下があった範囲は、汐見坂を上った先のNo.2ろ過水タンクから3号機タービン建屋までの路上に点在しており、当該箇所については吸着剤の散布を実施。引き続き当該車両の特定作業を行っていく。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

震災直後に撮影された汐見坂の画像(東京電力のホームページ「汐見坂・旧厚生棟周辺2」より 撮影日:2011年4月13日 )

photo.tepco.co.jp

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋滞留水の過去の移送を記載
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年8月15日午前10時~8月21日午後7時13分)

※滞留水移送は停止中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)

※滞留水移送は実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス ~通算17回目の海洋排出を開始

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月13日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、

8月14日午前10時から海洋への排水を開始。同日午前10時16分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

日報で排出の日付が14日となっているが、報道関係一斉メールでは24日付の情報として配信されている。

あわせて続報では、午後6時54分に排水終了とのこと。同じ情報が明日の日報に記載されることになるでしょう。(日報が通常午後3時現在の情報であるため)

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr3)からの排水についての続報です。

本日(8月24日)午前10時より海洋への排水を実施していましたが(お知らせ済み)、同日午後6時54分に排水を終了しました。

排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。

排水量については2,203トンでした。

引用元:福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr3)からの排水について(続報)|東京電力 平成26年8月24日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

8月23日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月24日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月24日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太