打ち合わせに向かっていた協力企業作業員が死亡
8月8日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
発電所構外新事務棟エリアで協力企業作業員が死亡
※8月8日午前7時45分頃、発電所構外新事務棟エリアにおいて、協力企業作業員(男性)が倒れているのを他の作業員が発見した。倒れていた作業員は作業開始前の打ち合わせに向かうところだった。当該作業員を入退域管理棟救急医療室へ搬送し、医師が診察した結果、心静止状態であり、緊急搬送が必要と判断したため、同日午前8時10分に救急車を要請し、午前8時47分にいわき市立総合磐城共立病院に救急車にて向かった。その後、午前10時32分、同病院にて死亡が確認された。
1号機で作業中の協力企業作業員が顔面に放射性物質付着
※8月8日午前11時30分頃、入退域管理棟での汚染検査において、1号機原子炉建屋1階の不要ケーブルの片付けに従事していた協力企業作業員に、顔面及び鼻腔周りの放射性物質の付着が確認された。内部取込みの可能性があることから、ホールボディカウンターを受検する予定。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月7日午前10時22分~)
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)。
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス ~揚水井No.12からの汲み上げ停止中
※平成26年8月5日採取分の分析結果において、地下水バイパス揚水井No.12のトリチウム濃度が1,900Bq/Lであり、一時貯留タンクでの運用目標値1,500 Bq/Lを上回っていることを確認したことから、当該揚水井の汲み上げを停止中(8月6日午後6時44分~)。地下水バイパス揚水井No.12のトリチウム濃度が運用目標値を超えていることから、今後、一時貯留タンク内の評価を行う。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成26年8月7日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月8日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太