2014年7月22日 今日の東電プレスリリース

4号機からの使用済み燃料取出しは7月1日から中断しているにもかかわらず7月3日、7月10日に続いてキャスク内包水・洗浄水の移送が行われるという不可思議

7月22日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

多核種除去設備(ALPS)B系、改修のため運転停止。17日発表のスケジュール通り

改修の内容は次の二点。
(1)フランジ部の腐食予防のため「ガスケット型犠牲陽極」を約40カ所あるフランジ部(継手)に設置。犠牲陽極とは、より腐食しやすい金属を接続して電位差を発生させることで本体の腐食を防ぐ技術で、配管や船舶などで使われています。
(2)運転停止に合わせて、鉄共沈処理を行っているクロスフローフィルタを改良型に置き換えとのこと。

※多核種除去設備B系については、

同設備C系で確認された吸着塔フランジ部の微小なすき間腐食発生の対策(フランジ部へのガスケット型犠牲陽極の設置)を水平展開するため、

7月21日午後10時に処理運転を停止。処理運転停止後、漏えい等の異常がないことを確認。

また、多核種除去設備B系の炭酸塩沈殿処理を行っているクロスフローフィルタ(CFF)については、既に改良型CFFに交換を実施しているが、

今回の処理運転停止にあわせて鉄共沈処理を行っているCFFについても、これまでに問題は確認されていないものの、予防保全の観点から改良型CFFへの交換を実施する。

なお、現在処理運転中の多核種除去設備A系およびC系の鉄共沈処理を行っているCFFについても、今後、改良型CFFへの交換を予定している。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

(日本語って難しい…)

1号機

新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

2号機 ~タービン建屋地下滞留水の3号機側への移送を再開

1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開。移送先は隣の3号機タービン建屋。

・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年7月22日午前9時50分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

3号機~6号機

新規事項なし

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・残留熱除去系による原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に実施中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール ~4号機からの燃料取出し作業が中断されているのに、7月3日、7月10日に続いてキャスク内包水・洗浄水を移送

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

加えて、大型輸送容器(キャスク)の内包水と洗浄水の移送について記載。

4号機からの使用済み燃料取出しが中断している中、7月3日、7月10日に続いての移送措置。燃料取出しを行っている頃より頻繁に移送が行われている不思議。共用プール内で何が行われているのだろうか。

・4号機使用済燃料プールから共用プールへの燃料移動作業において発生する構内用輸送容器(キャスク)内包水(4号機使用済燃料プール水)および構内用輸送容器(キャスク)内洗浄水については、沈降分離処理し、共用プール低電導度廃液受タンクで貯水しているが、7月22日午前10時から午前10時35分にかけて、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)への移送を実施。なお、本移送は今後も適宜実施していく。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス

新規事項なし。

海洋放出後のサンプリング結果は未発表。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成26年7月21日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月22日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年7月22日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太