地平線まで続く白い世界。南米・ウユニ塩湖

乾季のウユニ塩湖

ウユニ塩湖は、南米・ボリビアの高地、標高約3700mに広がる塩の大地である。世界で最もフラットな場所としても知られ、四国のおよそ半分という広大な広さにも関わらず、その高低差は50センチもないと言われている。

乾季には、地平線まで続く一面真っ白な世界となり、雨季には、数センチ~数十センチの水をたたえ、水面に空、雲、星など全てのものを映す、巨大な鏡となる。
かなり以前から、一部のバックパッカーには、有名な場所ではあったのだが、数年前にテレビのコマーシャルで使われたことをきっかけに、さらに人気に火がつき、今、旅行者の間で最も注目されている場所のひとつである。

ウユニ塩湖

ウユニ塩湖を訪れたのは、もう10年近く前になる。

当時、会社を辞めて世界一周旅行に出ていた僕は、ブラジルからボリビアに入国すると、首都のラパスに行き、そこで3日間ほど身体を休めてから、ウユニ塩湖のゲートシティーである、ウユニの町へと向かった。

ラパスからウユニへは、まずバスでオルーロという町まで行き、そこで汽車に乗り換えた。

ラパス。世界で最も高い位置にある首都で、その標高は3700m以上ある。

オルーロからの汽車は大幅の遅れ、ウユニ駅に到着したのは、日付も変わった、夜中の12時を過ぎたころだった。

駅をでると、すぐに宿を探したのだが、遅かったせいか、安宿はどこも満室だった。テントなどが入った巨大なザックを背負い、どこか空いている宿はないだろうかと、夜中のウユニの街を探し回る。そして、彷徨うこと20、30分。やっと1軒の安宿を見つけた。大変古めかしい宿だったが、贅沢は言ってられない。そこに泊まることにした。

チェックインを済ませて、ザックを部屋に放りこむと、今度は、ウユニ塩湖ツアーを探すために、再び街に繰り出した。夜中にもかかわらず、いくつかの旅行代理店は空いていた。遅くに到着した旅行者をつかまえるためだ。ウユニ塩湖のツアーは、塩湖を見て帰ってくるものと、見た後、そのまま、チリのアタカマに抜けるものがある。ボリビアの後、さらに南米大陸を南下しようとしていたぼくは、後者のアタカマ行のツアーを探す。

駅近くの旅行代理店を数軒まわり、ツアー料金などの条件をひととおり確認すると、そのなかの1軒を再び訪れて、値段交渉をする。条件が折り合ったので、そこでツアーを申し込んだ。出発はその日の夕方。3泊4日でウユニ塩湖を経由して、チリのアタカマへと行く。

ツアー代金の支払を済ませ、宿に戻りシャワーを浴びると、どっと疲れがでた。
倒れこむようにベッドに横になると、そのまま電気をつけっ放しで眠りに落ちた。

翌朝は、昼近くに目が覚める。遅い朝食を取った後、宿をチェックアウトして、出発まで町をぶらぶらと散策する。そして、夕方、僕はついに念願のウユニ塩湖へと出発したのだった。

早朝のウユニ。静寂なブルーの世界。

ウユニ塩湖

Text & Photo:sKenji