3月9日(日曜日)公開の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」を、前日からの変化や変更を中心にチェックします。
冒頭特記事項
淡水化装置No3(逆浸透膜式)マルチメディアフィルタ付近の堰内で、水溜まりが発見された件についての記載。
・3月9日午前10時25分、福島第一原子力発電所淡水化装置No3(逆浸透膜式)マルチメディアフィルタ*付近の堰内において、水溜まりがあることを当社社員が発見。水溜まりの範囲は約0.5m×約2.5m×深さ約1mmで、同装置の堰内にとどまっており、建屋(ジャバラハウス)外への流出はない。念のため、同日午前10時39分に装置を停止。
溜まり水表面の線量を測定した結果は以下のとおり。
70μm線量当量率(ベータ線):1.4mSv/h
1cm線量当量率(ガンマ線) :0.1mSv/h
また、水のない床表面の線量は以下のとおり。
70μm線量当量率(ベータ線):3.35~3.40mSv/h
1cm線量当量率(ガンマ線) :0.1~0.15mSv/h
溜まり水については、線量当量率が水のない床表面の線量よりも低いことから、当該系統の水ではないと推定しているが、引き続き状況調査を行う。
*マルチメディアフィルタ
逆浸透膜のつまり防止のために逆浸透膜の前段に取り付けられたフィルタ
1号機~6号機
新規事項なし。
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目
※昨日報告されたタービン建屋の高濃度汚染水の移送についての記載なし。
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項なし。
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
新規事項はパトロール結果とサンプリング実績についての記載のみ。
<最新のパトロール結果>
3月8日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
汲み上げ、移送、サンプリングとも新規事項なし。
地下貯水槽の状況
サンプリングについてのみを新規事項として記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年3月9日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に役立ちます。