2014年2月19日に公表された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」をチェックします。
★H4エリアタンク周辺のE-9ポイントで、17日採取分の全ベータの値が有意な上昇を示したことが報告されています。
1号機~6号機
新規事項の記載なし。
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目のみ。
タービン建屋の高濃度滞留水を2号機タービン建屋から3号機タービン建屋へバケツリレー的に移送する作業は停止中のようです。
◆3号機
1号機と同じ4項目に加えて、
・3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)
バケツリレーの後半部分は動き続けているようです。
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項なし。
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
引き続きタンクの監視と、タンク周辺のサンプリングを実施していると記載。新規事項としてパトロール結果とサンプリング実績が示された。
<最新のパトロール結果>
平成26年2月18日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
★ サンプリングでは17日採取分の測定値を報告。漏えいを起こしたタンクから北北東に約50mのE-9ポイントで、全ベータの値が有意な上昇を示したことを記載している。
※タンクとサンプル採取場所の距離は「地図蔵 地図で距離測定: Google マップ」で筆者が測定。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
H4エリアタンク周辺のE-9の全ベータの値(2月17日採取:500Bq/L)において、これまでの当該箇所における最高値以下ではあるが、前回の測定結果(2月14日採取:17Bq/L)と比較して有意な上昇が確認された。変動の原因としては、2月15日の降雨による影響と考えている。
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
原子力発電所で海に面したエリアの状況です。地下水のくみ上げとサンプリングによる監視が行われており、新規事項としては最新のサンプリングについて記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽の状況
新規事項としてはサンプリング実績を記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月19日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太
「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に使えます。