「火山防災マップ」をご覧になったことはありますか?
火山防災マップとは、火山災害の説明や噴火した際の影響範囲などついて書かれている各種防災情報(避難所の位置、連絡先や災害発生時にとるべき行動等)を記載したマップのことです。
(富士山)火山防災マップについて
富士山の火山防災マップは、平成16年6月に「富士山火山防災協議会」などによって試作版が作成され、公表されています。
試作版では、富士山ハザードマップをもとに作成されており、一般住民等を対象とした「富士山火山防災マップ」、登山者を含む観光客を対象とした「観光客用マップ」、防災担当者を対象とした「防災業務用マップ」の3種類のマップが作成されています。
富士山山麓の各自治体では、試作版をもとに独自の火山防災マップを作成(※)しており、これらの火山防災マップには、富士山噴火の際の避難に欠かすことができない情報が書かれています。
(※)作成していない自治体もあります。
富士山火山防災マップについて
「富士山火山防災マップ」は、「富士山近隣に住んでいる一般住民」が「いつどのような行動をとるべきか」を主に示したマップであり、そのほかにも、火山現象の影響範囲、避難場所、火山現象に対する説明、避難時の注意点などが書かれています。
下記の富士山火山防災マップは、富士山火山防災協議会が作った試作版です。試作版では、富士山の火山現象についての説明や、想定影響範囲が書かれている「共通ページ」と、地域ごとの避難場所、詳細地図と火山現象の影響範囲、避難時の注意点などがかかれた「地域」の防災マップがあります。
火山防災マップを作成している自治体は「共通ページ」と「それぞれの地域」の試作版をもとに、地域に応じた富士山火山防災マップを作っています。
各自治体が作成した富士山火山防災マップは、インターネット上で公開されています(※)。
(※)公開していない自治体もあります。
観光客用マップについて
登山者や富士山近辺への観光客向けに、過去の火山活動や火口位置などをわかりやすく説明するための火山防災マップです。観光パンフレットなどに挟み込むことを想定して作られています。
下記は「富士山火山防災協議会」が作成した試作版の観光客用マップです。
防災業務用マップについて
県や市町村など防災機関の担当者が噴火等の緊急時に使用するための火山防災マップです。
防災機関担当者以外の方が、目にする機会はほとんどないかと思いますが、参考までに、富士山火山防災協議会が作成した試作版の「防災業務用マップ」へのリンクを記載しておきます。富士山の火山防災についての詳細情報が満載されているので、より詳しく知りたい方にはおすすめです。
火山防災マップを確認しておこう!
富士山の噴火については、確かな記録が残っているものだけでも、781年以降で10 回、確認されています。
前回噴火したのは、1707年の宝永噴火であり、それからすでに300年以上経っています。噴火の周期は、不規則なために一概には言えませんが、記録が残っている中で、最も噴火の間隔があいているのは、約350年間です。
火山学者のなかには「富士山がいつ噴火してもおかしくはない」という方もいるようです。
富士山近隣に住んでいる方や、登山、観光を考えている方は、ぜひ、この機会に「富士山火山防災マップ」を確認しておかれることをおすすめいたします。
ちなみに、富士山の火山防災マップは、過去3200年間で最も大きかったと言われる、1707年の宝永噴火と同規模のものを想定して作られています。また、検討された火山現象は、発生頻度が高く、影響範囲を示すことが比較的可能と考えられる8つのみとなっています。
そのため、噴火の状況によっては、さらに大きな被害や、火山防災マップに記載されていない火山現象が発生することを、頭の片隅に入れておく必要があります。
参考WEBサイト
Text:sKenji