獅子舞の後の伊藤会長のあいさつは、次の言葉で締めくくられた。
復興は道半ばですが、
みなさんが元気であれば、
復興は必ずなります。
道半ばが「半分」を意味するわけではないことは、誰もが知っている。
被災地の中では復興が大きく進んでいる東松島市でも、復興の度合いはプラスマイナスゼロからプラスを積み上げている状態だ。
でも、「復興はまだまだですが」なんて伊藤さんは言わない。なぜなら復興は人々の元気によってなされる事業だからだ。
再建された玉造神社への奉納から始まり、慰霊碑の前、大曲浜新橋の上、大曲浜のパレード、そして仮設住宅。いずれの場所でもレッドゾーンをぶちきる演舞が繰り広げられた。ひとつひとつの場所がクライマックスだった。
大曲浜獅子舞保存会は翌3日までのまる2日間、ふる里東松島の各所で演舞し続けた。
すべての場所で全身全霊を奉じるような獅子舞が繰り広げられたことだろう。それは、
「道半ば」の復興を、「みなさんの元気」で成し遂げるため。
魂をかけた生き様は、必ずひとの心に飛び火する。
写真と文●井上良太
大曲浜獅子舞保存会の活動予定も掲載されています。