引越すことになった。
4万6千円の部屋から、2万7千円の部屋へ。
今まで会社の家賃補助で暮らしていたが、会社を辞めてしまえば当然、家を出なければならない。
それを承知で辞めたのに、引っ越し作業の時点で僕は萎えていた。
地方出身の僕は、辞めた会社の街の中で引越した。
その街の専門学校で勉強するためだ。
地元に帰る選択肢もあったが、それはなんだか会社に負けた気がして嫌だった。
こっちには頼れる友達もほとんどいない。
専門学校に通うためにはバイトも決めなくてはいけない。
わずかな貯蓄を減らすことにも、得体の知れない不安を覚えた。
明かりの無い部屋は、どこまでも暗いと思った。