シロツメクサがいっぱい咲いている陸前高田の町なかで、不思議なもの見つけた。
これなーんだ?
たぶん一升瓶のケースの壊れたものなんだけど、どうしてこんなところに入っちゃったのか。それが問題なんだ。
下の写真のように見れば、分かりやすいかな。
そう。歩道に開いた穴に、誰かが落っこちたりしないように、黄色く目立つプラスチックケースが入れられているんだ。
被災地にはほとんど街灯がないから、夜道は真っ暗だ。穴が開いているのを知らずに歩いていたら、危ないよね。
昼間だって、考え事をしていたり、友だちとお喋りしながら歩いていたら、穴に落ちてしまうかもしれない。
すぐ近くには、こんなのもあったよ。
消火器が2本。赤くて目立つし、もしもうっかり足を踏み外しても、歩道の高さとあまり違わないから、ちょっとびっくりするだけで、こけずに済むかもね。
こちらは陸前高田の東浜街道沿い。米沢商会さんのビルの前の交差点。
排水溝の蓋が外れたところに、「徐行」の立て看板が突っ込まれている。
陸前高田ばかりじゃなくて、津波の被害が大きかった町のいろいろな場所で、同じようなものを見つけることができるよ。
南三陸町の防災庁舎の近くにはカラーコーン。逆さまだから風が吹いても動かないし、だれが見ても「あれっ」って注意をひいてくれる。
こちらは石巻市の雄勝町。
硯加工のお店が立ち並んでいた町の中心部に、ビールのケースがふたつ。
風が強いところだから、ケースの上に石が置かれている。
でも、だれがこんなことをしたんだろう。
おまわりさん? 役場の人? 工事現場の人?
だれがやったのかは分からないけれど、
「仕事として」のことではないような気がしない?
震災の後、側溝やマンホール、ハンドホールの蓋が外れたままになっているところがたくさんあった。穴ぼこだらけで、とても危なかった。車が脱輪したり、足を踏み外して怪我する人がたくさんいた。
このままじゃ危険だ!って思った誰かが、その辺にあったもの(たぶん多くはガレキと呼ばれるようなもの)を利用して、みんなが怪我をしたり困ったりすることがないように、工夫してくれたのだと思う。
お酒のケースの壊れたのも、流されてきた消火器も、第二の人生を生きる場所を授かったのだと思う。
本当なら、もっとちゃんと修理するとか、しっかりしたバリケードや看板でガードするとか、本式の対応が必要なのかもしれないけれど、
この手の応急処置を見つけるたびに、少しほっとする。
誰かに「いいね!」と伝えたくなる。
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