見逃せない歴史と景勝、トカラ列島最北端
歩けば歩くほど、ちらほらと見かける野生の牛。人間を恐れることも無く、緑あふれる口之島をのほほんと歩きます。島は火山島であるがゆえか、各所から温泉がわき出ており、訪れる人たちをじんわりと癒します。「日本最後の秘境」とも呼ばれるトカラ列島。口之島はその最北端に位置する、自然の恵みに溢れた島なのです。 かつては国境の島でもありました。北緯30度線上にあるため、アメリカの臨時北部南西諸島政庁に置かれ、それなりに賑わったといいます。
また、伝統行事も多く、旧暦に従って様々な催しが行われます。旧暦7月に行われる盆踊りでは、踊りのほかに狂言が行われ、演者に選ばれた島民は覚えるのに必死だそう。そのほか、三大祭と呼ばれる2月祭り(大祭)、8月祭り、霜月祭りがあり、それぞれ祭りを執り行う10名が選ばれます。移住民を含めて100人ちょっとの人口ですので、何かと出番が多く、盛り上がりは必死だとか。こうした島に根付く文化に触れてみるのも面白そうです! 島は、人々が暮らす集落を除いて、南国情緒あふれる木々と海がとても印象的!ダイナミックな地形にそびえる雄大な山々を臨むだけで、間違いなく癒されるのではないでしょうか。また島の固有種である、白の鮮やかなタモトユリも、荒々しい地形とは対照的な可憐さがあり、見逃せません。ごゆっくり、お過ごしください。
口之島の見どころ
温泉に浸かる
セランマ温泉
島の南部、集落の反対側に位置する温泉。玉石が積みあがった石造りの浴槽で、内風呂と露天風呂の両方があります。鬱蒼とした森の中にある景観は秘境感抜群です!ちなみに、人が少ない島の温泉ですので、お湯を自分で溜めて浸かるのが島の常識。もちろん帰る時は栓を抜いて帰りましょう。
戸尻海中温泉
戸尻海岸にある温泉。かつては温泉施設と言うべき建物があったそうですが、今は使われていないそう。では、どのようにして温泉に浸かるかと言うと、海岸沿いの波打ち際から溢れ出る源泉が目印。ここにシャベルなどを持っていき、自分で掘ることで立派な露天風呂になるそうです。まさに知る人ぞ知る手掘り温泉!訪れる際は島民の方に案内して頂いたほうが無難だそうです。
さとの湯温泉(コミュニティセンター)
集落の中にあるコミュニティセンター。役場出張所としての役割も兼ねており、島民たちの憩いの場になっています。営業日:火・木・土曜日、営業時間:17:00~21:00
景色を楽しむ
平瀬海水浴場
港近くにある海水浴場。施設として整えられており、透明度の高い海を楽しむことができます。どこまでも続く水平線や、周辺に広がる山々も含めて、絶景の一言!
燃岳周辺の道路
島の南部にある燃岳と周辺の道路ではトカラヤギや野生牛を見ることができます。通りをとことこと横切る野生牛なんて、この島以外ではなかなか見られないはずです。
フリイ岳
集落から北へ1kmほど進んだ、235mの小さな山です。頂上までは歩きやすく整地されているので散歩にも最適。島の北端から口之島の全景を楽しめます。なかなかの絶景です。
コウ
集落の中にある小さな泉。道路わきに小ぢんまりと存在しています。島のご婦人がたは、むかしからここで野菜を洗ったそう。中でも田芋の収穫の時期や霜月祭りの際はここで田芋を洗う女性の姿が見られます。
口之島の情報あれこれ
【名 称】
口之島(くちのしま)
【所在地】
(地図)
【面 積】13.33㎢
【周 囲】
13.3km
遊 び
海水浴、ダイビング、シュノーケリング、釣り、温泉めぐり、散策、野生牛の観察
食べる
田芋、タケノコ、島の鮮魚
郷土料理
島の鮮魚を使ったお寿司、ヤギ料理、タケノコの煮しめ、ナガサイの肝いり(ダツという魚の内臓を炒めたもの)
変わりモノ
野生牛、海中温泉
う た
安里屋ユンタ、マミドゥーマ、しきだ盆節
島内のルール
島内には飲食店が無いので注意。金融機関は郵便局のみ。
口之島へのアクセス
船を利用する
鹿児島港より
鹿児島港~(6時間15分)~口之島
奄美大島・名瀬港より
奄美大島・名瀬港~(10時間15分)~口之島
十島村役場(公式HP、時刻表)
(島プロフ一覧)