【リトルなでしこ】 《U-17女子ワールドカップ》 選手名鑑・リンク集 ロンドンオリンピックで銀メダルに輝いた『なでしこジャパン』。U-20女子ワールドカップで銅メダルを獲得した『ヤングなでしこ』。女子サッカー界が大きな注目を集めている今、更に一つ下の世代に『リトルなでしこ』と呼ばれる17歳以下の日本代表の存在があります。今回はU-17女子ワールドカップで活躍したセンターバックの乗松瑠華選手のプレーの魅力に迫ります。
【乗松 瑠華】 のりまつ・るか
生年月日:1996年1月30日
身長:164cm・体重:57kg
所属チーム:JFAアカデミー福島
ポジション:DF
まるでボランチのようなセンターバック
乗松瑠華のストロングポイントは的確な状況判断に裏打ちされた攻撃参加にあります。DFを統率するスイーパーという立場にありながら、センターサークルまでドリブルでボールを運んで攻撃に参加します。最後尾からディフェンスラインをコントロールする堅実なセンターバックというよりは、単独で前線に切り込んでアシストやゴールを狙う攻撃的リベロです。
センターバックでコンビを組む三宅史織に守備を任せ、ときには中盤の選手を追い越して前線に攻め上がるリスキーなプレーを見せます。ショートパスを主体にして左右にボールを散らし、トップにクサビの縦パスを入れるなど、チームの舵取り役を果たします。
ディフェンダーを巧みに操るゴール前の番人
乗松は164cm57kgという恵まれた体格を持ち、なでしこジャパンでスイーパーを務める岩清水梓と比べると、1サイズ大きい高い身体能力を備えます。フィジカルの強さを生かした激しいチャージで勝負するタイプではなく、周囲の選手を巧みに使いながらディフェンスラインを統率する頭脳的なプレーが持ち味です。
相手チームにバイタルエリアまで攻め込まれた場合、ストッパーの三宅、両サイドバックの清水と小島にファーストタックルを仕掛けさせると、後方から適切な距離を保ってDFをサポートします。相手がパスを回しを選択したらプレスをかけてボールを囲い込み、ドリブル突破を仕掛けられたら、背後のスペースを素早いカバーリングで消し去ります。
積極的な攻撃参加でゴールを狙う
コーナーキックでは打点の高いヘッドを生かしてゴールを奪いに行く乗松瑠華。パワーと高さを前面に押し出しで空中戦の勝負に挑む三宅史織とは違い、乗松はペナルティエリアから少し離れてDFの前から姿を消し、ボールが蹴られた瞬間にゴール前に飛び込むと、フリーになってダイレクトシュートを放ちます。
しかし、攻撃参加で前に出過ぎる傾向があるため、中盤でボールを奪われてカウンターを食らうケースも目立ちます。ショートパスでゲームを組み立てるだけでなく、1発のロングパスでDFの背後を突いたり、強引にミドルシュートを放ってプレーを切る選択を覚えれば、相手のカウンターを受けるリスクも減るでしょう。
総括
守備力と攻撃力をバランスよく兼ね備えるリベロタイプのセンターバックです。大型で身体能力も高いことから将来のなでしこジャパンのセンターバック候補として期待が持てる逸材です。今後、国際試合で経験を積んで成長することができれば、岩清水の後継者となる可能性も高いと思います!