ずっと地元で生きてきたから、 復興の現実を見つめる目はシビアだ。 それでも弱音を吐かない強さ(2012年1月21日)

川里女久美さんとご両親の完戸富吉(ししど・とみよし)さん・幸子(ゆきこ)さんたちご家族の震災後を紹介する記事はこちらです。

編集後記

   福島第1原発の事故で、農作物も果物も出荷できなくなってしまいましたが、2011年の実りは例年にないほど豊かだったとか。完戸家恒例の頂き物となっていた松茸もそうです。ただし今年は「どうします?」と知り合いの方から尋ねられました。これまでなら「松茸とって来たよ」「ありがとう」のやり取りだったのに。
完戸さんもちょっと迷ったそうですが、近所のお医者さんも食べたという話を聞いて「じゃあ食おう」。奥さんも「お父さんが食べるなら私も食べるわよ」。後で娘さん、息子さんにこっぴどく叱られたそうですが、「でも今年の松茸はうまかった」とニコリ。地物を食べることの是非はさておき、被災地で生きていく完戸さん夫妻の明るさを感じるエピソードでした。(2012年1月21日)

文・構成●井上良太
取材協力・写真協力:NPO法人伊豆どろんこの会