兵庫県尼崎市(あまがさきし)、ご存知でしょうか。一応、筆者の育った地元です。少し前なら「名前くらいなら聞いたことがあるかも」という程度の知名度でしょうが、近頃はとある連続殺人事件もあって日に日に有名になってきていますね。他にも「尼崎児童暴行事件」(2006年)、「JR福知山線脱線事故」 (2005年)、「尼崎児童虐待死事件」(2001年)、「尼崎大気汚染公害訴訟」(1988年)など、たびたび全国を揺るがす事件の舞台になっています。 自身も地元・尼崎を離れて久しいですが、イメージの悪化には苦笑してしまうばかり。事実、治安は良いとは思えないですし、正直、帰りたいとも思いません。とは言え、人生の大半を過ごした地元でもあります。このままで良いはずもありません。ここはひとつ、あえて外から地元・尼崎の“イイトコロ”を探してみようと思います。頑張れるだけ頑張ります。飽きたらやめるかも知れません(笑)。
その2.神戸も大阪も近い
でも、大阪ではありません
大阪~(尼崎)~神戸間を走る電車上から阪急、JR、阪神
悪いニュースばかり目立つ尼崎。とある日、静岡県内のとある食堂で食事をしていたところ、僕は聞いてしまいました。食堂のテレビから流れる尼崎の悪いニュース。街頭インタビューで喋っている関西弁のオバチャン。それを見ていた食堂の客のオッサンがひと言。 「また大阪か・・・。」
大阪じゃありません。兵庫です。尼崎市は兵庫県です。よく大阪府尼崎市なんて言われますが、それは違います。何かの間違いです。・・・とは言うものの、兵庫県の東端に位置する尼崎市。そのすぐ隣に大阪府大阪市があります。兵庫県だと言いながら、関西以外の人々が「テレビに影響されて抱くコテコテの大阪のイメージ」にもっとも近い存在とも言えるでしょう。尼崎にとって、それほど大阪は近い存在※1であり、影響を受けていると考えられます。 一方、兵庫県一番の大都市・神戸市は尼崎から見て西側へ20数キロ。こちらも近いのです。ですので、遊ぶには全然困りません。大阪(梅田)~神戸(三宮)間には電車が三本通っています※2が、尼崎市内からであれば、どれに乗っても片道300円以内で大阪にも神戸にも行けちゃうのです。
※1 大阪は近い存在余談ですが、尼崎市の市外局番は大阪市と同じ(06)。もちろん兵庫県内では尼崎市だけです。
※2 大阪(梅田)~神戸(三宮)間には電車が三本通っています
地図で見ると、北から順番に阪急、JR、阪神がそれぞれ通っている。一般的に、「上流階級が阪急、中流階級がJR、それ以外は阪神電車に乗る。」
もしくは、「阪急は学校へ行く、JRは会社へ行く、阪神は甲子園球場に行く」と言われるほど、沿線によって地域のカラーがある。僕は阪神沿線に住んでいたが、大学の友人らと大阪や神戸で飲み会をすると、解散時に一人だけ阪神電車に乗ることが多かった。
ひと“アマ”で2度おいしい
住んでみて実感しますが、2つの都会を楽しめる意味ではとてもいい場所です!大阪~神戸間も、速い電車(JR・新快速)に乗れば21分で結んでくれますし、とにかく行き来がラク!中間に位置する尼崎なら、気分しだいでどちらへも遊びに行けちゃいます。
関東で言うと、山手線沿線(東京)と横浜の間に住んでいるようなもの!位置的に言うと大田区あたりが同じようなポジションでしょうか。大田区民の人は都内で遊ぶのか、横浜で遊ぶのかは知りませんが・・・。
(左:大阪~神戸、右:東京~横浜)
同じ縮尺で見るとこうなります。★マークは尼崎。どちらにも行き来しやすくて便利なのです。
デメリットもある
とは言え、これが悪い方向にもつながっているのが、尼崎の悲しいトコロ。このインフラ面での便利の良さが、優秀な人材の流出にもつながっています。時折、兵庫県内でも極端に低い偏差値を馬鹿にされてしまう尼崎。ですが、尼崎にたまたま進学校と呼べる学校がないだけです。近隣の西宮や神戸には、国内でも上位を争う灘、甲陽学院といった進学校があります。尼崎の優秀な人材はそういった進学校に流れて行っているというウワサです。そんな話をどこかで聞きました!なんということでしょう。