東日本大震災・復興支援リポート 「守られた住宅地」

岩手県普代村、復興のテンポが早いわけ

岩手県普代村には、高さ15メートルの水門と防潮堤が築かれている。東日本大震災の巨大津波で、防潮堤の外側にあった漁港の施設は大きな被害をこうむった。しかし普代村では、防潮堤と水門に守られて住宅地の被害は軽微だった。

「去年の夏前には、少しずつだけど漁も再開していたよ。ここは住宅地が無事だったから、復興するのも早かったんだ」

市場で働く男性が教えてくれた。

写真は住宅地の側から見た漁港近くの防潮堤。

海と町を隔てる壁

写真ではほとんど見えないが、防潮堤奥の神社へは、左下の住宅地の坂の途中からゆるいスロープで登っていけるようになっている。

▲ 防潮堤から住宅地を見下ろす。かなりの高度感だ。

▲ こちらは漁港側。

▲ クルマの出入りは防潮堤の鉄門から。

▲ 岸壁のクレーンは助成金で震災後につくられたもの。そのほか、製氷プラントなども新築されていた。

▲ 被害がなかったわけではない。しかし普代村に流れる時間は、ほかの沿岸部とは違うように感じる。

▲ 大震災後の風景とは思えない住宅地のたたずまい。ここでは巨大な堤防が人々の生活を守った。

●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)