【サッカー日本代表】日本VS UAE・・・新たなオプションを加えて進化したA代表 《キリンチャレンジカップ》

現在、サッカー日本代表は2014年ブラジルワールドカップの出場に向けて、アジア最終予選でし烈な戦いを繰り広げています。9月6日、キリンチャレンジカップ2012で日本VS UAEの試合が行われました。素人サッカーファンである筆者の独断と偏見による対戦レポートをお届けします!

1-0の辛勝もイラク戦に向けて価値ある勝利

9月11日に迫るアジア最終予選のイラク戦。そのシュミレーションとして格好の相手となるUAEに対して日本がどんな戦いを見せるのか?そこに焦点が集まる試合となりました。

日本のシステムは4-2-3-1。イラク戦ではDFの内田、今野、栗原が累積警告で出場停止の為、ザッケローニ監督はディフェンスラインを大きく入れ替えました。4バックの内訳は左から駒野、中央は吉田と伊野波がコンビを組み、右に酒井宏樹を据えました。ダブルボランチは長谷部と遠藤。3枚の攻撃的MFは左に香川、中央に本田、右に清武。1トップは前田遼一ではなく、ハーフナーマイクを起用します。

対するUAEのシステムは5-3-2。ロンドンオリンピックに出場した選手を中心に構成されており、2018年にロシアで開催されるワールドカップ出場を目標にした若いチームです。ゲーム序盤、運動量が上がらない日本は選手間の距離が間延びしてサポートが上手く入らない状態。本田と香川が個人で突破を仕掛けても攻撃が単発に終わってしまいます。オリンピック組の清武と酒井宏樹が優れたコンビネーションで右サイドを崩しますが、決定的なシーンには至りません。

一方のUAEは5バックでカウンター気味の戦術を取りますが、前線の選手には素晴らしいテクニックとスピードを備えたアタッカーを揃えます。キレのあるドリブルでディフェンスラインを切り崩し、精度の高いキックに裏うちされた抜群のパスワークに加え、パワーのあるシュートで再三に渡って日本のゴールを脅かします。

一進一退の攻防が続くなか、先に均衡を破ったのは日本。後半24分、左サイドで中村憲剛からパスを受けた駒野が左足で中央にクロスを入れます。鋭いカーブを描いた高速ボールはGKの手を超えてファーサイドに流れます。絶妙のタイミングで走り込んだハーフナーマイクが豪快なヘッドを決めて先制ゴール!虎の子の1点を守り切った日本は1-0の辛勝。イラク戦を前にした貴重なシュミレーションを勝利で収めました。

イラク戦で出場停止のDFの穴を埋めるのは誰か?

イラク戦で出場停止となるDFの今野、栗原、内田の穴を誰が埋めるのか?特にセンターバックのバックアップに問題を抱える日本。ザッケローニは前半に伊野波、後半に水本を試しました。どちらがイラク戦に起用されるのか微妙ですが、現時点では水本が一歩リードしている気がします。伊野波と水本を比較した場合、スピードでは互角ですが、1対1のマークの安定感と空中戦では水本に分があります。

右サイドバックの内田のバックアッパーとして起用されたのは酒井宏樹でした。攻撃では積極的に右サイドをオーバーラップしてバリエーション豊かなクロスボールを供給し、守備では体の強さを生かしたマークと的確なカバーリングで安定感を見せました。イラク戦では酒井宏樹と駒野のどちらを起用しても問題ないと思います。

A代表デビューの酒井高徳、今後もオリンピック組の合流は見られるのか?

この試合で忘れてはならないのが酒井高徳のA代表デビュー。左右のサイドバックを遜色なくプレーできる能力を持ち、両足から繰り出される高精度のクロスボール、サイドハーフもこなせる破壊力あるドリブル突破など、今後の日本代表を背負う逸材です。ドイツ人の母を持つ酒井高徳は、ドイツ代表のレーヴ監督からも高い関心を持たれていました。国際Aマッチ未出場だった酒井は「ドイツ代表に選ばれたらそれもオプションの一つ」と語っており、ドイツ代表入りへの発言も匂わせていただけに一安心です。

ザッケローニはロンドン五輪組のA代表デビューには慎重な姿勢を見せています。アジア最終予選で結果を出しているA代表にイタズラに新戦力を加えることに懸念を示している模様。ロンドン五輪で結果を出した永井謙祐や大津祐樹、扇原貴宏らをどのタイミングで起用するのか気になるところです。

ポジションを固定化するザッケローニの采配に疑問

左サイドで真価を発揮しない香川をトップ下に起用しない理由は何か?遠藤のバックアップは誰が務める?という疑問は未だに解決を見せません。この試合でも一時的に左サイドに入った本田圭佑は十分にフィットしていたので、試合展開によっては香川とのポジションチェンジを試す価値があると思います。トップ下の控えとして位置づけられている中村憲剛ですが、遠藤のバックアップが確立していないだけに、中盤の底で優れたゲームメーク能力を発揮できる彼を一度はボランチで起用するべきだと思います。

ハーフナーマイクも1トップとして計算できる存在に

レギュラーフォワードの前田遼一に代わって1トップに入ったハーフナーマイクですが、ターゲットマンとしての役割を十分に果たしていたと思います。これまではパワープレー要員として考えられており、先発で起用されてもポストプレーに安定感を欠いていました。しかし、この試合では足元にしっかりボールを収めて前線でタメを作り、得意のヘッドで決勝点を奪うなどストライカーとしても存在感を発揮しています。マイクが先発メンバーとしても計算できるようになったのは大きな収穫です。

総括

1-0の辛勝に終わったものの、酒井高徳のA代表デビューや清武と酒井宏樹の新しいコンビによる右サイドの崩しなど、新しいオプションが加わって戦力に厚みが出たと思います。この進化をイラク戦でどこまで生かせるのか、注目したいと思います!