もしも食べるのが面倒なブロッコリーが、全部改善されて美味しくなったら
スティックセニョールという野菜をご存知でしょうか。小粋な名前に細長い体。そして頭はお洒落アフロ。実はこいつはブロッコリーなのです。一言で言うなら「茎を味わうブロッコリー」。ブロッコリーの価値観が変わりました。
野菜好きを自称している筆者ですが、中には苦手なものもあります。その代表格がブロッコリー。湯がいてようやく食べられるものですが、茎は堅く花蕾(頭の部分)はパサパサ、しかもサイズがでかいので、食べるのも面倒・・・。それでいてやや青臭い味わいも好きになれませんでした。今挙げた点について、共感される方もいるのではないでしょうか。栄養が豊富なのは知っているので、食卓に並べば我慢して食べましたが、わざわざ自分で買って・・・という気にはなれなかったものです。元々地中海地方の原産のブロッコリー。アメリカでは特によく食べられているそうですが、人々の嫌いな野菜の象徴的存在でもある様子。やはりそのままでは人を選ぶ食べ物のようです。 では、そんな問題点がすべて解決したらどうでしょうか。したんです。してしまったんです。それがスティックセニョールです。開発したのはサカタのタネという大手種子メーカー。実は日本生まれなんです。
中国では高級な野菜として扱われるカイランという野菜があります。費用対効果の観点から日本ではほとんど流通していませんが、豊富なビタミンはもとより、カルシウムや鉄も豊富。栄養としてはほうれん草に似た野菜です。そのカイランに従来のブロッコリーを交配させたのがスティックセニョール。詳しく調べてみると、スティックセニョールはカイランとブロッコリーの良いとこ取りの野菜でした。
(左・カイラン 右・ブロッコリー)
3つのポイント
1.クセがなく食べやすい
味よし、歯ごたえよし、風味よし。筆者は一度だけ、国産のカイランを食べたことがありますが、スティックセニョールの歯ごたえや、ほのかな甘みはカイラン譲り!!味はクセがないため、ドレッシングによくなじみます。とにかく茎が良いんです。人間誰しも「ちょうど良い堅さ」というものがあると思いますが、生に近い状態で食べるとコリッ。炒めたり蒸したりのあとは、ザクッ。これがとにかく心地良い!マヨネーズにディップするのが一番人気でしょうか。色々試し甲斐がありますよっ。
2.豊富な栄養価
好き嫌いの分かれやすいブロッコリー。筆者も苦手な類ですが栄養価は抜群らしく、ビタミンB、ビタミンC、カロチン、鉄分、葉酸が豊富とよく聞きます。紹介しているスティックセニョールもブロッコリーのイイトコロはしっかり引き継いでいます。特にスティックセニョールについてよく見られる記述に「レモンの約2倍のビタミンC」というものがあります。レモンの2倍ってなんだか凄そう・・・。ちなみにこのビタミンC、ビタミンBと葉酸と同時に摂取することで、動脈硬化予防になるそうです。さらに、鉄分と同時に摂取することで、鉄分の吸収率を高め貧血予防に効果があります。 なによりスティックセニョールにはそれら栄養素が既に含まれているのが素晴らしい!同時に食べなくとも、栄養がイケてるのです。またサルフォラファン(スルフォラファンとも)という成分はがん抑制に効果があるとされています。その他、風邪予防、美肌効果など、これでもかというほどに効果が期待できるようです。本当かよ!って感じですが、いやはやスゴイですね。ちなみにスティックセニョール、ビタミンCが豊富ですがそれほど酸っぱくありません。
3.扱いやすい
その扱いやすさが人気です。スーパーなどでは見かける頻度が少ないように、流通面ではまだまだですが、知る人ぞ知るその味は人気抜群。家庭菜園(ベランダ菜園)などでは、おそらく従来のブロッコリー以上に人気があるのではないでしょうか。 もうひとつの人気はその細身な身体。細長く柔らかいがゆえに、料理におけるポテンシャルも高いです。肉巻きや和え物など、ゴロゴロした野菜には不向きな食べ方もできちゃうのです。
かんたんレシピ
サッと湯がいて、お好みの調味料で食べる!
マヨネーズが人気ですが、サラダドレッシングなら何でも合います。味噌なども可。しかし茹ですぎると自慢のビタミンCが水に溶けて流れるので注意。
サラダなど
好みの野菜を刻んでドレッシングをどばっと。魚を捌いてカルパッチョにしても良い引き立て役です。
炒め物に
肉との相性も抜群。大きなブロッコリーのように料理の邪魔にならずにしんなり馴染んでくれます。ごま油を敷き、牛肉と味噌、少量のお酒で甘辛く炒めるとご飯が進みました!