澤穂希・・・FIFAバロンドール賞を獲得した実力に迫る【なでしこジャパン・選手名鑑】

いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本女子サッカー五輪代表、澤穂希選手をクローズアップしてみたいと思います。

【澤穂希】さわ・ほまれ

生年月日:1978年9月6日(33歳)
出身地:東京都府中市
身長:164cm

在籍チーム:INAC神戸レオネッサ
ポジション:MF
利き足:両足

2011年度、FIFA最優秀選手賞を受賞

2011年、ドイツワールドカップではキャプテンとしてチームを牽引し、得点王とMVPの2冠に輝いて日本の優勝に大きく貢献したことを称えられ、アジア人としては史上初のFIFA最優秀選手賞(バロンドール賞)を受賞した澤選手。国際Aマッチ80得点という数字は、釜本邦茂さんの持つ国際Aマッチ75得点の記録を塗り替えたことでも話題となりました。名実ともにサッカー界の女王に君臨する澤選手の実力とはなんでしょうか。

ボランチとして攻守を統率

現在、日本代表ではボランチとしてチームの舵取り役を任されている澤選手。数年前まではトップ下やサイドハーフなど、より攻撃的なポジションを務めていましたが、佐々木則夫監督が就任して以来、ボール奪取能力と展開力の高さを評価されてボランチにコンバートされました。

ボランチに転向してからは守備でも高い能力を発揮。一対一のディフェンスは抜群に強く、フィジカルの強さを生かした豪快なタックルでボールを奪い取ります。危機察知能力が非常に高く、バイタルエリアの危険なスペースに常に顔を出して攻撃を寸断。

決定的なスルーパスや、シュートにも体を投げ出してボールをカットします。広い視野でフィールド全体をカバーし、経験に裏うちされた鋭い読みで攻撃の芽を摘み取ります。 「危険な場所には常に澤がいる」という言葉は有名です。

類まれなパスセンス

広い視野で中盤の底から左右にボールを散らしてゲームメーク。高精度のロングパス、スルーパス、サイドチェンジを使い分け、フィールドをワイドに使ったパスサッカーを展開します。

キックの種類も多彩です。インフロントやアウトサイドを使ってカーブをかけたクロスボール、無回転に近いストレートキック、バックスピンをかけたスルーパスなど、状況に合わせて的確にボールを蹴り分ける能力があります。「スペースに飛び込め」「シュートを打て」など、味方に対してメッセージ付きのパスを送れる選手です。

驚異的な得点力

ドイツワールドカップのメキシコ戦では、ボランチでありながらハットトリックを達成。大会5得点で得点王に輝いた澤選手。スタートポジションを深い位置に取りながら、得点を量産できるプレーヤーは世界的に見ても稀有です。

攻撃参加のタイミングに優れており、好機と見ると長い距離を一気に走ってバイタルエリアに侵入します。ディフェンスラインとの駆け引きが上手く、ゴール前で一旦スピードを緩めて相手のマークを外し、一度消えてから再びゴール前に現れます。

絶妙のタイミングでペナルティエリアに飛び込み、味方のラストパスを引き出すと、ずば抜けたシュート精度で冷静にゴールネットを揺らします。ボレーやヘディングなどダイレクトシュートが上手く、難易度の高いゴールが多いのも特徴です。豊富な運動量と高いメンタリティを兼ね備えており、75分を過ぎてから攻撃に存在感を示せる数少ないプレーヤーです。

また、セットプレーからのシュートも得意としており、コーナーキックをニアサイドで合わせるプレーは秀逸です。このエリアは『澤ゾーン』とも呼ばれており、勝負どころで数多くのゴールを生み出してきました。ドイツワールドカップ決勝のアメリカ戦でも、延長後半に宮間選手の蹴ったコーナーキックをニアサイドに飛び込み、右足アウトサイドでピンポイントシュート。劇的な同点ゴールを奪いました。

総括

ドリブル、パスセンス、キープ力、シュート力、ディフェンス、キャプテンシー、全てのプレーにおいて世界最高クラスのプレーヤーとされる澤選手。ロンドンオリンピックはこれまでのキャリアの集大成となる大会になるかもしれません。是非とも金メダルを日本に持ち帰って欲しいと思います!

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