絵画鑑賞を楽しむ ~視点が変わる~

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』

絵画に興味がないなんてもったいない!
絵画を楽しめれば人生が豊かになる!

という個人的な思いから、ちょっとでも興味を持てるような鑑賞方法を考えていきます!

今回は「視点が変わる」です。

イエス・キリストの絵画

絵画はもともと文字の読めない人に宗教を広めるための手段だったとも考えられているため、イエス・キリストの絵は数多くあります。

「イエス・キリスト」「名画」と検索するだけで、いろいろな作品が出てきます。

数多くのイエス・キリストの絵画を見ていると、描かれているのが横から視点でした。

例えばルーベンスの『キリスト昇架』は、今まさに十字架を立ち上げようとしているダイナミックな構図を横から見ています。

ピーテル・パウル・ルーベンス『キリスト昇架』

ja.wikipedia.org

お次はファン・デル・ウェイデンの作品で、こちらも横からの視点。

背景が風景ではなくゴールドで人物が浮かび上がって見えるのが素敵です。

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『十字架降架』

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そんな横から視点の多い作品の中で、ちょっと珍しいのが足元からの視点。

この絵をミラノで見たときは、こんな構図があるもんなんだと驚きました。

足元から描いていているのに、奥行きや人体の重厚感が感じられるのは凄いなぁと思います。

アンドレア・マンテーニャ『死せるキリスト』

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驚きの視点!!

そんな中で斬新な視点で描いているのがサルバドール・ダリです。

若かりし頃の私は、ダリにハマってフィゲラスの美術館にも行くぐらいのファンっぷりでした。

空中に浮かんでいるイエス・キリストを斜め下から眺める視点。

未来的な十字架がかっこいい!!

顔が見えないのが想像を掻き立てて良い感じ!!

ここまでは、他の絵画と大差はありませんが。。。

サルバドール・ダリ『超立方体的人体(磔刑)』

www.musey.net

イエス・キリストを上から見た視点があります!

頭頂部が見えるっていうのは珍しいように思います。

そして、画面下部は横視点の海の景色が広がっており、一つの絵の中で視点が混在しています。

サルバドール・ダリ『十字架の聖ヨハネのキリスト』

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最後は足元から描いたイエス・キリストとそれを見つめる、ガラ(ダリの妻)。

背景には原子の核があり、視点が定まらない浮遊したような感覚を私は感じました。

サルバドール・ダリ『キリストの昇天』

www.musey.net

まとめ

作者が変われば作品が違うのは当たり前ですが、視点が変わると同じイエス・キリストでも全く違います。

足の裏なんて絵を見るときに意識していませんが、そこにはあるはずのもの。

そこが全面に出てくることで、自分の意識が足の裏に向いている。

いつも顔を捉えているのに、ダリの絵では顔は見えない。

なんだかとても斬新で面白いと思います。

いつもと違う視点で描かれた絵を意識して探すのも面白いですね!!

絵はこういうものだと思っている自分に気づくことができるかもしれません。