環境にやさしい取り組みを学べる銭湯

以前、社会福祉協議会が運営・管理する福祉会館の入浴施設を利用しました。民間のスーパー銭湯よりも比較的手頃な価格で入れるほか、地域内で行われている取り組みを施設利用通じて知ることが出来るといった点が魅力に感じました。

近隣の市町で同じような体験が出来る施設を探してみたところ、富士市に今秋リニューアルされたごみの焼却施設を発見。詳しく施設の中身を見てみると、市内で出たごみを処理(焼却)した際に発する余熱を利用し、お湯という新たな「資源」に生まれ変わらせる市営の銭湯がオープンしました。

お隣の沼津市でも同じくごみ焼却の余熱を利用した温水プールが稼働しており、実際に利用したこともあります。

令和2年9月末に完成した新しいごみの焼却施設(富士市新環境クリーンセンター)の構成施設である循環啓発棟では、3Rや富士市の環境について学べるとともに、ごみの焼却熱を有効活用した温浴施設や食事を楽しむことができます。

引用元:新環境クリーンセンター|静岡県富士市

一方、富士に出来たこちらは様々な設備が搭載されている複合施設。いったい中はどうなっているのでしょうか?

利用してみました

住宅街からは少し離れた新東名高速道路沿いの道から北側に進んで行った先に、新しく出来たごみ焼却場があります。搬入を受け入れる棟、焼却をする工場。そのすぐ下(南側)にあるのが「循環啓発練」と呼ばれる施設です。

棟の中に入ってすぐの場所に入浴施設の受付があります。着いたのは午前中でしたが、オープンしたてということもあり、すでにたくさんの人で賑わっていました。併設している食事処ではゆったり寛げます。入浴券+食事券というとてもお得なチケットもあるのですが、今回は入浴券オンリーを選択。食事はまたの機会にとっておきます。受付を済ませ、お風呂場へ。

お風呂の種類は、民間のスーパー銭湯と比べると種類は少ないかもしれませんが、あつめ、ぬるめと分かれている内湯やジェットバス。露天には檜風呂や炭酸泉など3つの浴槽で構成されており、満足です。

ただコロナの影響で他の施設と同じくサウナは停止中。感染が流行してからもう半年以上、入ることが出来ていません・・・。残念。

上の写真は湯上がりの休憩処。個室もあるそうで設備としては申し分ないように感じました。

改めて言うと、ここは「循環啓発練」。1日に数回開かれているごみ処理見学の他、入浴施設の隣には、環境に関する展示スペースがあります。

これは市内でごみのポイ捨てが確認された場所の情報を利用者から募る参加型の展示物。その場所にどんなものがどんな状態で捨てられていたのかがわかります。地図で見ると市街地よりも山や海に近い場所で確認されています。やはりペットボトルやトレイなどのプラスチックごみが多いようです。

その他にも、昔(ビニールやプラスチックがない状態)と今で出されるごみの内容の比較、リサイクル工作の作品など、環境に対して理解を深められる展示スペースになっています。

富士市の環境に配慮したさまざまな取り組み

自分が住んでいるまちでは、環境に対してどんな取り組みを実施されているのか?
普段、生活している中でよくわからない事もあると思いますが、こちらの施設では市内の取り組みを知ってもらえる良い機会になりそうです。

紹介されていた様々な取り組みの中から、特に印象に残ったのが、

食品ロスの削減キャンペーン。冷蔵庫で手つかずのまま放置されている食品、使いかけのまま忘れられてしまった食品を減らすため、定期的に中身をチェックしましょうという取り組みです。市内での認知度はわかりませんが、「むすびん」というオリジナルのキャラクターもいるようです。

また、市のごみに関する情報を発信している「ごみへらしタイムズ」という独自の新聞も定期的に発行しています。そこでも見つけたのが「ごみ減らし隊」という戦隊モノのキャラクター。(富士市はキャラクターが豊富??)

お風呂に入りがてら、気軽に各展示を見て回っても良いかもしれませんね。子供・大人両方で楽しめて学べる施設だと思いました。