以前、世界一時間のかかる味噌汁づくりというワークショップに参加をし、その中で自然栽培での作物づくりを体験する機会がありました。
自然栽培とは、農薬や化学肥料を使うこれまでの慣行栽培では害とされていた虫や草を排除せず、共存する形で自然が本来持つ力を引き出す農業です。
我が家では庭で家庭菜園をしているので、このワークショップを機にこれまで一生懸命庭の草取りしていたのを止めて、草と共存してみることにしました。
草は貴重な資源
始めのうちは、見た目の悪さにネガティブな気持ちになりました。
そんなとき、自然農法で古代米を作っている友人にたまたま土を買っている話をしたところ「土なんて買わなくても、刈った草を集めて土を作ればいいじゃない。」と言われたことがきっかけで、草に対する見方が大きく変わりました。
刈った草も剪定した枝も「資源」なのだと気づきました。しかも植物は根っこを切らない限り何度でも生えてきます。究極の再生可能エネルギーです。
草は堆肥に枝は地中に埋めて水脈改善に使えます。そう考えると、これまでは刈った草や剪定した枝をゴミに出していましたが、今思うととてももったいないことをしていたと思います。
今では、草が生えてきてくれることにありがたみさえ感じるようになりました。
庭に起きた変化
草を生やすことで、草を食べるために虫が集まり、虫を食べるためにクモが集まり、クモがいるからかトカゲが増えました。
スズメや野鳥が草の芽や種を目当てにやってくるようになりました。最近ではツバメも巣を作って子育てしています。
慣行農法は草があるから虫が寄ってくるので、また草が生えることで栄養が奪われるため草を排除するという考え方です。自然栽培にしてからは、虫は草を食べるので、自然と庭で育てている果樹や野菜に虫がつかなくなりました。
自然に沿えば沿っただけの効果があるような気がします。
この時期、果実も雑草と一緒に元気に育っています。夏にはブルーベリーもたくさん実ります。
自然の力の偉大さを実感
自然栽培を始めてからは、メンタル的にも草を敵視しなくていいので心に余裕が生まれ、自然に起こる庭の変化を楽しむことができるようになりました。
果樹や野菜が本来持っている生命力を信じて、人が手をかけ過ぎず自然に任せた方がいいのかな、と思うようになりました。
自然がとても複雑な関係性の中でバランスが保たれていることに、自然の力の偉大さを感じずにはいられません。