新駅を目指して近所を「探検」してきた話

昨年秋のことですが、ご近所に新駅ができました!

「最寄りの駅になった」というわけではなく、普段の生活でも利用する機会がなかったのでなかなか見に行くことができなかったのですが、乗り鉄の息子が「一度行ってみたいんだよう!」と言い始めたため、探検がてら行ってみました。

地図を持たずに目指す旅路

「あんなところに駅が作れるスペースなんてあったっけ?」

そんなことを思いながら「こっちの方角にあるらしい」という噂をもとに歩いてみました。(ご近所の人もあまりまだ使ってない模様)

当然地図アプリを使えば一発で行けるのですが、あえて「使わない」という選択も面白いと思い、なんとなくの勘を頼りに向かいました。

若干の方向音痴でもある私、ほどなくして見事に迷いました(笑)


普段からよく通る大通りから細い路地に入っていくのですが、最初のチョイスがよくなかったようです。

道が入り組んでいて道中行き止まりに当たったり、「ここって通っていいんだよね?」と心配になるほど細い民家の間の裏路地をそーっと歩いたり。

息子も「こっち(の道をチョイスするの)!?」というリアクションをして驚いたり心配したり。

聞いた通りの場所にあるとするとだいたいこっちの方角だろう、という感覚だけを頼りにひたすら進みます。

恐らく迷わず向かった時の数倍の時間をかけ、ひたすら歩き続けた末にようやく新駅に到着です。長距離を歩かされた、ある意味被害者の息子も疲れを忘れて大喜び。

個人的にはとっても面白い体験でした。

「不便を知ること」で知るありがたみ

それにしても、今は本当に便利な世の中になりました。

車にはカーナビがあり、スマホにはマップ機能があり。本の地図すら使わなくなりました。

自分が学生のころは、車で旅するときでも頼るのは地図。助手席に座ったやつが地図を見ながら運転手に指示を出し、こっちだあっちだと言いながら移動しました。

道を大きく間違えた時は、みんなで助手席の人間を攻め立てるのですが、本人からは「オレは間違えていない、地図が間違っているのか昨日道路が工事で変わったかのどちらかだ!」という予想外の反撃を目の当たりにしてゲラゲラ笑ったり。

旅ではああいったトラブルの時が実は一番楽しい。

便利になったことで得られたものがある一方で、知らずのうちに失っていることもあるのかもしれません。

そして、不便だったころを知らない世代はその「ありがたさ」にも気づけない。

便利なものにあえて頼らない取り組み。なかなか楽しいので引き続き子供とやっていこうと思います。

※ちなみに後日、再び息子と駅を訪れたのですがその時は駅に向かっていると思われる学生さんを軽く尾行して最短ルートを把握しました。これも地図に頼らない方法の一つ(笑)

新駅到着直後の息子。「入り口で写真撮ろうか?」という私の声掛けも気づかぬほど興奮気味に入っていきました。乗るだけじゃなくて駅も好きなのね。