わが家の息子(9歳)はASD(自閉症スペクトラム)です。
今では使いませんがより分かりやすくということで、心理療法士の先生は「アスペルガー」という言葉で息子を表現されていました。
今回は息子が2年生から通う通級のお話です。
通級の時間割
息子は2年生から通っている通級が大好きです。
現在は、木曜日の5時間目に1時間ほど通級の授業を受けています。
通っている学校には通級がないため、いつもはおばあちゃんが一緒に行ってくれますが、今回は私が見学に行きました。
【通級指導教室】
通常の学級に在籍する、比較的軽度の障害がある児童生徒に対して、障害の状態に応じて特別な指導を行うための教室。
今回は下記流れで授業が進みました。
1.お話タイム
2.寝るトレ
3.リコーダー
4.5分で漢字
5.コマ遊び
6.お楽しみ
授業は息子と先生のマンツーマンで進みます。
親は部屋の隅のパーテーションで仕切られた場所で、子どもの様子を見ています。
お話タイム
まず教室につくと、決められた下記ルールをこなします。
・あいさつをする
・鞄を先生の横のテーブルに置く
・サポートファイル(通級の先生、保護者、クラス担任の連絡用ファイル)を先生に提出
・筆箱を出す
・ハンカチ、ティッシュを持っているか先生に報告
・机といすを用意
・自分の箱を用意し、箱の中に筆箱を入れる
これは、ルールを守ることと習慣づけの練習です。
2年生のころは順番通りにできなかったようですが、今ではバッチリスムーズにできていました!
すべて準備して机に座ると、先生に1週間に起こったことをお話します。
今回息子は、心配だった長縄跳びが上手くできたことを先生に報告していました。
今は縄跳びが心配であることもお話して、次回の通級で縄跳び練習をすることになりました。
こうやってコミュニケーションをとりながら、子どもの不安を聞いて苦手を克服するための手助けをしてくれます。
寝るトレ
お話タイムの後はマットに横になって、動かないでどのくらいじっとできるか挑戦します。
我慢して落ち着く訓練のようです。
いつもはすぐに動いてしまい5秒ほどだそうですが、今回は18秒!!
息子に聞くと「何故か上手くできた」と言っていました。
家でも待つことが大の苦手な息子ですが、こうやって我慢を少しずつ覚える方法もあるようです。
リコーダー
お次はリコーダーです。
発達障害の子どもは手先が不器用な子が多く、習字やリコーダーなどでつまずく子のために、通級では個別指導をしてくれます。
ただ練習するだけでなく、上手く吹くためにリコーダーにも工夫をしていました。
穴をふさぐのが苦手な子供のために、穴の周りにボンドをつけて乾かし、凹凸を付けています。
また、右手の親指に引っ掛かりのプラスチックをつけて、すぐに正しい位置で持てるようにしています。
こうやって通級に行くたびに練習することで、リコーダーへの苦手意識がなくなるようです。
今回も息子が演奏していましたが、苦手だったことが嘘のように上手く吹いていました。
5分で漢字
5分かけて漢字の読み仮名を書くことで、焦らずに見直しをする訓練を行います。
その他にも、決まった秒数の中で正しい単語を見つけるプリントもありました。
おそらく集中力を鍛える訓練だったのではないかと思います。
コマ遊び
先生が次々とコマを出して、それを息子が回してどんな風に見えるかを話していました。
ここからは私も参加して、誰が一番長くコマを回せるか競争もしました。
こちらのカリキュラムは、『先生の話を黙って聞く』『ルールを守って遊ぶ』という訓練だったのではないかと思います。
お楽しみ
すべてのカリキュラムが終わると、下記ルールを行います。
・筆箱をしまう
・自分の箱を所定の棚に片づける
・机といすを片付ける
・次の通級日を確認する
・サポートファイルをもらう
・あいさつをする
これが終わると、お楽しみ時間として子どもの好きな遊びをすることができます。
今回はボーリングを行いました。
ここまでが1時間の内容です。
合間に暴走して走り回ってしまう様子もありましたが、先生がおっしゃるには「お母さんが来て嬉しいんだね。」とのことでした。
まとめ
久しぶりの通級見学でしたが、楽しそうに授業に取り組む息子が印象的でした。
「苦手なことをやるのにどうして楽しいのだろうか?」と考えると、先生の応対や工夫が、子どもにとって楽しい時間に変えているのではないかと思いました。
授業を見ていて、今回私が気付いたのは下記です。
・先生が子供の話をじっくり聞く
・子供が暴走すると、「待ってるよ~」と言って居場所を作って戻ってくるのを待っている
・暴走する理由を受け入れている
・先の見通しが分かるようにスケジュールが黒板に細かく書かれている
こうやって通級を見学することで、自分の子どもへの対応を見直す良い機会になったと思います。
通級は子供だけでなく、親にとっても学ぶことの多い場所だと感じました。