メリークリスマス

妻のお友達Aさんが遠くへ引っ越したのは13年前。ウチの娘は生まれていませんでした。Aさんには当時3歳ぐらいのとてもチャーミングな娘さんがいて、さらに引っ越したあと、かわいい弟くんが生まれました。

そして13年。ことしの夏休みに3人で遊びに来てくれて、一緒に食事をしました。

初めて会う弟くんは「色素性乾皮症(XP)」という難病を持っていて、日光に当たることができません。病気からくる神経障害で耳が聞こえづらく、言葉も時々不明瞭になっていて、歩くにも支えが必要だったものの、とても人懐っこくて終始ニコニコ。わたしのおひざにも乗ってくれました。か、かわいい…♪

引っ越し当時まだ小さかったお姉ちゃんも、お母さんや弟くんをさりげなくサポートしたかと思うと、お母さんとも弟くんとも張り合ったり(^^)。年頃の娘さんのあんなに素直な表情からは家族の仲の良さが伝わってきました。

Aさんは頭の回転も行動力も抜群で、とにかく何でもできてしまうスーパー美人。長いこと会っていませんでしたが、相変わらずの明るさと天然ぶりも健在で、とても楽しいひと時でした。

「こっちで遊んでた頃は、お互いに障害のある子を持つなんて思ってもみなかったね」

妻とAさんはきっとそんな言葉を交わしたでしょう。でも共感できる瞬間が増えたことで、離れていてもつながりがいっそう強まったと思います。笑顔を絶やさず、とにかく前を向いているAさん家族を尊敬してやみません。

時間とともに

色素性乾皮症の中で日本人に多いタイプのものは運動機能、言語機能のピークを5歳から6歳で迎えます。以降は年齢を重ねるごとに神経障害が重度化、だんだん歩くことや話すことなどが難しくなってきます。知的障害も進みます。

そして20歳を過ぎたころには意思疎通が難しくなってしまい、30歳前後には非常につらい結果を迎えることも少なくないそうです。

いまのところ確立された治療法はありません。今すぐにでも世界のどこかで治療法や特効薬が見つかってほしいと切に願います。

「残り時間」はわからない

話は変わりますが、以前「障害のあるお子さんを残して死ぬのはつらくありませんか」と聞かれたことがあります。

娘には重度の知的障害があり、人の支援なしでは生きていくことができません。そんな娘を残して死ぬ…このことが頭をよぎらない日はありません。でもそれについて深く考えたり悩んだりすることもありません。

深く考えるのを避けているのもありますが、割り切った言い方をすると「悩んでもしょうがないから」です(もちろんその日のためにできることは何でもしておくつもりです)。

でも、正直言うとそこには「まだ時間がある」という気持ちが存在しています。娘はまだ小さいから、自分はまだそれなりの年数を生きていられそうだから。そんな安易な気持ちです。

しかし子供と別れるまで15年だったらどうでしょう。10年だったら、5年だったら。それでも親が子より先に死ぬのは当たり前の順序です。絶対にあってほしくないことですが、もしその順序が逆になるとしたら…。

言ってしまえば人間は誰しも「死に向かって生きている」ことになりますが、自分または自分の大事な人の死に関してどこまでが「まだ時間はある」で、どこからが「もう時間はない」なのでしょうか?

考えようとしてやめました。明日どんなことが起こるかわからないのに「まだある」「もうない」なんて考えている場合じゃありません。とにかくひと時ひと時を笑って過ごしたい。そんなひと時がなるべく多く集まった人生にしたいと思う年の瀬です。

2018年で一番好きな写真です

映画「ボヘミアンラプソディ」を観たせいで「時間」に対してセンチメンタルになってしまったようです(^_^;)。

きょうはクリスマス。2018年もあと1週間を切りました。2019年は病気や障害などひとつでも多くの困難に対して明るい光が差し込みますように。そして楽しい日々が多い1年になりますように!

Band Aid - Do They Know It's Christmas? (Live Aid 1985)

レコードには参加していなかったフレディも歌っています。