【書籍】 怖くて眠れなくなる科学_竹内薫

サイエンス作家で「科学応援団」として、テレビ・ラジオ・講演などで活躍している竹内薫さんの書籍です。過去に原子核物理学などを専門的に学んだ経験がある著者が、科学は便利な反面、怖い面もあり、人はそんな科学の裏の顔になぜ怖いと感じるのか、何が怖いのかを説明しています。

東日本大震災では福島第一原発事故がありました。原発は「怖い」の典型的な科学技術のひとつです。ただ、この原発事故を統計的に分析すると、火力発電や水力発電の方が圧倒的に発電量あたりの死者が多いようです。

原子力だけでなく他の要因によってそれぞれどのくらい寿命が縮まるかを計算した人がいます。それによると原子力があることによって、われわれ一般人の寿命は平均2日縮まるとのことです。別の試算では0.05日との結果もあります。

一方、タバコを吸う人と結婚すると、副流煙などが原因で寿命が50日縮まるそうです。肺炎やインフルエンザは105日、ガンは1,247日となっています。

このように統計的に比較すると、私たちが怖いと感じるのは、科学を分析した結果や統計が示す数字ではないことが分かります。原子力でいうと放射線が目に見えないことや、情報の不足などの心理的な面よって怖さが増幅している部分があります。

統計や科学でしっかり分析して本当は何が怖いかを理解することで、単純に原子力発電は危ないから廃止した方がいいとは言えない部分もあることが分かりました。