鈴木旅館の入浴支援終了

陸前高田で被災を免れた宿泊施設は多くない。そのひとつ、矢作温泉元湯鈴木旅館は震災後の陸前高田で、ボランティアや作業員の宿泊場所として貴重な存在だった。

もうひとつ、鈴木旅館は仮設住宅に暮らす人たちにとっても、とても貴重でありがたい存在だった。それは、仮設住宅の人たちを対象に、無料入浴支援を行ってきたからだ。

仮設住宅の浴室は狭い。脱衣場もない。だからお客さんを泊められない。そもそも仮設住宅の入居者の多くは、再建に向けて光熱費を倹約しているから、ゆったり湯船につかることも少ないらしい。だから鈴木旅館の無料入浴はありがたかったのだという。

3月31日で鈴木旅館の無料入浴サービスは終了した。震災から6年以上が経過するまで無料入浴支援を続けてきたことには敬服するばかりだ。鈴木旅館を時々使うという知人は「ありがとうと言っても足りないくらい」と話していた。

鈴木旅館の無料入浴支援終了。それは年度末の小さな変化かもしれない。それでも利用する人にとっては、感謝の気持ちを再確認する出来事だったようだ。

4月からは仮設住宅に暮らす人も200円の入浴料を払って利用することになる。旅行等で陸前高田にいらっしゃる際には、どうぞ鈴木旅館をご贔屓に。