少し前の話になりますが、今シーズンをもって、ジャイアンツ一筋20年『足のスペシャリスト』鈴木尚広選手(38)がユニフォームを脱ぎました。
引退会見を行った後は数多くテレビに出演していましたが、『誰?』と思った人も多かったのではないでしょうか。鈴木尚広と聞いてすぐ顔を思い浮かべられる人は相当なプロ野球ファンかもしれません。。。
鈴木尚広という男
鈴木尚広選手は1996年のドラフトでジャイアンツに4位で指名されました。ちなみに高卒でドラフト4位指名は、あのイチローと同じです。苗字も同じ鈴木ですね。
この言い方は適切かどうかはわかりませんが、プロ野球という競争の激しい世界を『足』だけで20年間生きてきた男です。
プロ生活20年はイチローのような華やかな道ではなく、ケガにも相当苦しめられました。しかし、年俸もまだ高くない頃から(最後までけっして高かったとは言えませんが)自腹でトレーナーを雇い自分の足にすべてをかけてきました。
実はプロ野球記録保持者!
鈴木尚広選手はプロ20年間で規定打席に達したことは1度もなく、「レギュラー」と呼ばれることもありませんでした。しかし、彼は足で頂点をつかみました。盗塁は275回試みて228回成功。盗塁成功率はなんと.829です。
この数字がどれだけすごいかというと、、、
実は200盗塁以上の選手の中で盗塁成功率.829はプロ野球記録なんです。
長いプロ野球の歴史の中で通算200盗塁を達成した選手はわずか71人しかいません。200盗塁だけでもものすごい記録です。※2016現在
足が速いだけでは盗塁はできない。
『盗塁』はセンスと言われています。
足が速い選手はたくさんいますが、足が速ければたくさん盗塁ができるかというと、そうではないのです。
リード、相手投手のけん制の癖や配球、そしてスタート、足の速さももちろん大事ですが、トップスピードに乗るまでに時間がかかってしまっては盗塁は成功しません。1塁ベースから2塁ベースまでの距離はわずか27.4m。いかに早くトップスピードに乗れるかが成功のカギです。そしてスライディング技術。もちろんバッテリーとの駆け引きも大事です。これらすべてを兼ね備えていたのが鈴木尚広選手です。
まさかのできごと
今シーズンのクライマックスファーストシリーズはペナントレース2位のジャイアンツと3位のベイスターズが対戦しました。そのクライマックスファーストシリーズの最終戦の9回ウラ。1点取ればジャイアンツのサヨナラ勝ち、日本シリーズをかけたファイナルステージに進出が決まるという場面。先頭打者の村田がヒットを打ってノーアウト1塁。ここで鈴木尚広選手は代走に起用されました。今シーズンは10回走って1度も失敗していません。彼の盗塁成功率を考えたら間違いなくノーアウト2塁のチャンスを作ってくれると誰もが信じていた矢先のできごとでした。まさかのけん制死...
数日後、鈴木尚広選手は現役引退を表明しました。
できればあんな形で現役生活を終えてほしくない。そう思っていたのですが。。
プロ意識の強さを後輩たちは見習うべき
鈴木尚広選手が引退すると知った瞬間はクライマックスシリーズでのけん制死が引退を決意させたのではと思っていましたが、引退会見ではクライマックスシリーズでのけん制死が引退を決めた原因かと問われると、それは否定していました。
わたしも引退会見を見ましたが、鈴木尚広選手の何かをやり遂げて満足しているような爽やかな笑顔をみたときに(けん制死は)関係ないなと感じました。
『心技体どれか1つでも欠けてしまうと勝負できないと言う中で、心が欠けた』と言っていたのがあまりにも印象的でした。
最後に...
これだけのスペシャリストがベンチに控えているにもかかわらず、今シーズン鈴木尚広選手に10回しか盗塁の機会がなかったのはやはり残念です。
ここ3年間、打数は少ないながらも打撃成績は47打数の15安打で.319。今シーズンもう少しチャンスを与えていたら、もしかしたら来年も現役だったかもなんて思うと複雑ではありますが、『悔いはない』と言った鈴木尚広選手に『20年間お疲れさまでした』と心から言いたいと思います。
近い将来、ジャイアンツのユニフォームを着て『足のスペシャリスト』を育ててほしいですね。
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『人気のセ、実力のパ』は遠い昔。今や人気も実力もパ・リーグ!?
セパ問わずプロ野球のことを書いています^^