中心市街地のかさ上げと並行して進む山の造成地

ここは陸前高田市の高台、鳴石地区。津波以前からあった住宅団地の山側の土地を切り開く造成工事が進められている。

造成が進む土地は市役所などとほぼ同じ高さ。8月から入居開始の予定になっている県営栃ヶ沢アパートの姿も見える。

造成地の向こう、真ん中に見えるのが県営栃ヶ沢アパート

山の斜面を切り開く切土と、掘り出した土で斜面を埋める盛土でひな壇状の住宅地が造られていく。

陸前高田というと、津波被害を受けた市街地を約14メートルの高さまでかさ上げする巨大工事で有名だが、かさ上げされた土地よりも高台の造成地を望む人も多いという。もしもまた津波が来たらという恐怖は簡単に拭い去れるものではないのだろう。

だからなのかどうなのか、陸前高田では約125ヘクタール(まちづくりの総事業費は1200億円)の巨大開発が進められる一方で、山林を切り開く中小規模の造成工事が市内各所で行われている。かつての中心市街地と同様に、商店があり住宅があり町内会があって人々がつながり合う町を再生するための巨大開発と、二度と津波被害にあいたくないという気持ちが背景にある山の造成地。

未来の陸前高田はどんなまちになるのだろうか。