根浜海岸の松林の向こうには、いまでも白砂青松の美しい浜辺が広がっているのではないかと、初めて訪れた人でさえそう思ってしまう。しかし現実には津波によって白浜はほとんど失われ、浜辺だった場所にはコンクリートの遊歩道が白く無表情に光るばかりだ。
失われたものは大きい。それでも、いやそれだからこそ失われなかったものの大きさが胸に迫る。もう一度、女将さんの言葉を引用させていただこう。
三陸の魅力は美しい風景なのだと思っていましたが、最大の魅力は震災にあっても釜石に、三陸に、住み続けている人たちがいるということなのだと感じています。ぜひ、住んでいる人たちに会いにいらしてください。
宝来館
宝来館はラグビーWCのスタジアムが建設される釜石市鵜住居からクルマで10分ほど。美味しい料理と松原と、津波の記憶、避難路、そしてこの土地で生き続ける人の魅力を見つけにきてほしい。