被害状況
今月14日の夜に発生した平成28年熊本地震は、その後も断続的な揺れが続き、16日未明には最大規模のマグニチュード7.3の地震が発生。本震とされていた最初の地震が前震に訂正されました。マグニチュード3.5以上の余震も2004年の新潟県中越地震を抜いて、過去最多の165回以上が観測されています。
4月18日現在、亡くなられた方は42名、負傷者は1,000人以上、避難されている方も20万人以上と被害が拡大しています。住宅の損壊も2,400棟以上あるといいます。
その他にも、九州新幹線を始めとした交通機関が麻痺しており、復旧のめどが立っていません。また、一部の道路も土砂崩れや橋の崩壊により寸断されているとのことです。
今後の救援活動などは、ヘリや使用できる道路を使って車両による支援物資の輸送が考えられます。ただ発生から間もないこともあり、現在、物資が届いてもそれを振り分ける人手が足りなかったり、必要とされている場所の情報がわからずに届けられていないという話も聞きます。
そのような中、今朝のニュースではSNSで支援の要請の書き込みを見て、支援者が直接、避難場所に物資を届けたことが報じられていました。地震発生直後、支援体制がうまく機能するまでの緊急支援のあり方のひとつを示しているように思います。
現地では余震が続いており、今はボランティア活動を控えてほしいという話も伝えられていますが、支援体制が早期に整うことを切に願います。
想定外の余震活動が続く熊本地震
平成28年熊本地震では本震とされていた14日の地震が前震に訂正されたほか、阿蘇や大分でも震度6強、5弱の地震が発生しています。揺れがこれほどの広範囲に連鎖するのは近代観測史上例がないそうです。
東日本大震災、そして今回の地震ともに「想定外」という言葉を耳にします。
地震の研究に欠かせない地震計が作られたのはせいぜい百年ほど前だと言われています。それ以前の地震については歴史記録や地層などの研究からある程度はわかるものの、地震に関するしっかりとしたデータが取られるようになったのはここ15年ほどと言われています。
百年単位とされる大きな地震の活動スパンからすれば15年というのはほんのわずかな時間。まだまだわからないことばかりで、想定外のことが発生するのはある程度「想定されること」なのかもしれません。
今後の活動が特に予測不能とされる熊本地震は、予断を許すことができない状況が続いています。地震の大きな被害を受けている地域にお住まいの方々の不安や心配は想像以上のものがあると思います。
今はなによりもまず、行方不明者の早期救出と余震が早く収まって避難されている方の不安が少しでも和らぐことを心より願います。