温暖化問題の始まり
20年くらい前に地球温暖化問題が話題になり始め、当時から二酸化炭素をいかに減らすかで、各国が集まって京都議定書ができ、削減目標を設定して達成の有無がニュースになっていました。温室効果が非常に高いメタンを牛、羊がゲップで出すのを抑えるために真剣に研究されたのも話題になりました。
その10年くらい前には地球は寒冷化するという本を読んだ記憶があります。気候の変動予測はかなり難しいと思っていました。
温暖化の問題点
温暖化が進むと砂漠が広がる、異常気象が増える、北極、南極の氷が解けて海水面が上昇し、海沿いの都市が水没するなど温暖化の悪影響ばかりが問題視され、どうしたら二酸化炭素を削減できるかの話ばかりです。
砂漠は温暖化に関係なく増えており、異常気象は、情報網が発達したことでニュースに取り上げられることが多くなって増えたように感じますが、気象観測以前から異常気象は無数にありました。
北極の氷が解けても海水面は変わらず、南極の氷は簡単には解けません。南極の気温は少し下がったという研究もありました。海水面の上昇は南極の氷が解けるより、水温上昇による海水膨張の影響が大きいようです。
温暖化のメリット
一方、温暖化の良い影響は、話題に上りません。冬の暖房エネルギーが減ります。寒くて動植物が住めないところが、温暖化で住めるようになります。
何より、寒くて何も育たない土地に植物が育つようになれば、農作物が栽培できて、食糧問題を好転させられます。ロシア、アラスカ、カナダの酷寒の土地が農地に変わるのは夢のようです。
植物が繁茂すれば、二酸化炭素を減らすことができます。そんな理由で温暖化は悪とはいえません。かえって望ましいとさえ思えます。急激な変化は生物が順応できず困りますが。
温暖化の原因
温暖化の原因は二酸化炭素の増加と言われていますが、これも明確ではありません。温室効果は確認されていますが、主な原因とは言いにくい点があります。
大気の温度と二酸化炭素の量を長年研究した学者によると、気温が上昇してから二酸化炭素の量が増えるということがわかりました。二酸化炭素の量が増えてから気温が上がるのではなく、気温が上昇してから二酸化炭素の量が増えるというのです。
温室効果を持つガスは他に、水蒸気があります。効果は小さくても膨大な量が存在するため、無視できません。水は地球内を循環しており、総量では変わりません。気温が上昇すると、海洋の水が蒸発して水蒸気が増えます。
すると、温室効果で気温が上昇。するとさらに水蒸気が増えて、気温が上昇することになります。つまり、気温が上昇してから温室効果ガス(二酸化炭素、水蒸気)が増えるのです。
地球の歴史を見ると気温が周期的に変動しています。太陽の影響、軌道の変化、地球の変動などいろいろ考えられていますが、周期的ということに着目すれば軌道の変化が主原因といえます。
地球の軌道が周期的に変化するため、気温も周期的に変化するのです。軌道の変化による周期的な気温上昇と増えた温室効果ガスとの相乗効果で気温が上昇するというのが正しいようです。
温室効果ガスの影響も皆無とは言えませんが、地球歴史上の気温変動に比べれば現在の気温上昇は微細な変化といえます。
そもそも二酸化炭素の削減は、各国が非常に難しい削減目標を達成できたとしても、温暖化のスピードを遅くするだけの効果しかなく、温暖化を止めることは不可能です。軌道の変化で、やがて温暖化も止まり寒冷化に向かいますから、それほど深刻に考えるべきではありません。寒冷化の方が深刻な問題を引き起こします。
エネルギー問題
温暖化がそんなに問題なのか?二酸化炭素の削減が本当に必要なのか?私の考えでは、それはエネルギー問題の一端ととらえています。
世界のエネルギーは化石燃料(石油、石炭、天然ガス)に頼っています。化石燃料は、使えば必ずなくなります。
その時、どうするか?自然エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱等)は小さすぎて足りません。原子力発電しかないのです。反対される原子力発電を推進するためにどうするか?
そのために温暖化をクローズアップして、二酸化炭素を生み出す化石燃料を徐々に減らして、二酸化炭素の出ない原子力発電を推進してきたのです。
福島第一原発で事故が起き、やや足踏みしたものの原子力発電への移行は明らかです。
世界でもドイツなど一部を除いて、原子力発電は不可欠なエネルギー源のため、原子力発電を増やす方向に動いています。
原子力発電はエネルギーの安定供給のために有効ですが、事故を起こした現実を深く反省し、安全性を徹底的に追及して、本当に採算が取れるのかをじっくり考えてほしいものです。万が一の事故で電力会社が対処しきれず、国の税金で補償する事態は、安全性より経済性を重視した結果の惨劇です。