日本各地から雪不足が伝えられるなど、今シーズンは暖冬となっています(※現時点において)。また、先月のクリスマスのことですが、友人が暖かいニューヨークの様子をSNSに投稿していました。なんでも、ニューヨークは最も暖かいクリスマスイブだったそうです。
一部の地域や短い期間だけで判断するわけにはいきませんが、勢力の強い台風の増加や北極海の氷の減少などといったニュースをたびたび目にすると、どうしても地球の温暖化を心配してしまいます。昨日、ぽたるページでご紹介したペリトモレノ氷河でも、数年に一度の割合で、必ず夏に起きていた氷河の大崩落が2005年、初めて冬にも発生しています。
気象庁のWEBサイトによれば、「20世紀半ば以降に観測された地球温暖化の半分以上は大気中の温室効果ガス濃度の増加等によって引き起こされた可能性が極めて高い」そうです。今日は気になる温暖化に影響を与えているという「温室効果ガス」について調べてみます。
温室効果ガスについて
よく耳にする「温室効果ガス」ですが、そもそもどのようなものなのでしょうか?
温室効果ガスは温室効果をもたらす気体の総称で、主なものに二酸化炭素のほか、メタン、一酸化二窒素、フロン類などがあります。
これらのガスの単位量あたりの温室効果はそれぞれ大きく異なります。例えば、いま問題になっている二酸化炭素は同量の場合、温暖化に与える影響は他の温室効果ガスよりも低く、メタンは同量の二酸化炭素と比べて20倍以上の影響があるとされています。
なぜ、二酸化炭素の削減が重要視されているのか
二酸化炭素は単位量あたりの温室効果は他と較べて低いものの、排出量においては圧倒的に多くなっています。それぞれの温室効果ガスが地球の温暖化に与えている影響の割合を示した「寄与割合」を見てみると、最も大きな影響を与えているのが二酸化炭素で約60%、次に20%のメタンが続いています。
さらにメタンはその大半が湿地帯、湖沼、河川などで植物が分解する際や野生動物の生理現象といった「自然」から発生するものに対して、二酸化炭素は排出量の90%を化石燃料の燃焼とセメント製造が占めるなど、ほとんどを人間が生み出しています。
次の円グラフは温室効果ガスの放出源を示したものですが、赤は「人間の活動」、緑は「自然」が起源となっています。
人為起源による温室効果ガスについて、地球温暖化に与える影響の割合を見た時、実に約75%は二酸化炭素によるものであると考えられています。
このような理由から、二酸化炭素の削減が重要視されていると思われます。
二酸化炭素が温暖化に与える影響について、懐疑的な見方もあります
二酸化炭素の増加により地球温暖化が進んでいることをご紹介しましたが、その一方で少数派(と思われる)ながらも、二酸化炭素が地球温暖化に与える影響について、否定的な意見もあります。
今回調べた限りでは、信用度が高いと思われる情報を見つけることはできなかったのですが、「温暖化の要因は太陽の活動など、二酸化炭素以外にある」といった説や、「二酸化炭素は増加しているかもしれないが、気温は上昇しておらず温暖化は進んでいない」といった考え方、また「温暖化ではなく、むしろ寒冷化に向かって進んでいる」という見方などもあります。
絶対悪ではない温室効果ガス
ちなみに、問題になっている温室効果ガスですが、絶対悪というわけではありません。
もし仮に、地球上に温室効果をもたらすガスや水蒸気が存在しなかった場合、太陽から得た熱は全て宇宙へ放射されてしまい、地球の平均気温はマイナス19度になると考えられています。温室効果ガスや水蒸気が適度にあるからこそ、多くの生物が生存できる平均気温14度という現在の地球環境があるそうです。
地球温暖化への影響について見方は様々あるものの
二酸化炭素が地球温暖化に与える影響について、いったいどちらが正しいのだろうかと思います。しかし、現時点では多くの科学者や研究機関等が二酸化炭素の増加による地球温暖化を指摘していることや、長い地球の歴史で現代ほど人為的に二酸化炭素が排出されている時代はないことから、経済活動への悪影響を始めたとした問題もあるかもしれませんが、これ以上の増加は抑えるべきだと思います。
今年の年始、キリマンジャロに登ってきた友人が「山頂の氷河が写真で見ていたものより少ないように思えた」と言っていました。消滅が懸念されるキリマンジャロの万年雪を次世代につなぐためにも、地球温暖化について考えていく必要があると思います。