2016年1月6日 今日の東電プレスリリース

1月6日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

5号機残留熱除去海水系Aポンプで潤滑油が約6リットル漏洩

※2016年1月6日午前8時46分頃、5号機残留熱除去海水系Aポンプの潤滑油循環運転を実施していた協力企業社員が、ポンプ軸受部より潤滑油が漏えいしていることを発見。なお、漏えい発生後直ちに潤滑油ポンプを停止し、油の漏えいは停止している。その後、当社社員が現場を確認したところ、漏えいした油は当該ポンプの本体カバー内に溜まっており、本体カバーの外へは漏えいしていないことを確認。また、漏えいした油については、午前9時24分から午前10時40分にかけて回収しており、回収した油の量は約6L。今回の油の漏えいについては、午前10時10分に双葉消防本部より「危険物の漏えい事象ではない」と判断された。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月6日

【注目点】循環油ポンプを止めたということは5号機残留熱除去海水系Aポンプ自体が停止したものと考えられるが、このポンプを止めることでどのような影響があるのか、あるいはないのかが明示的には記されていない。(報道関係各位一斉メールが配信されていないということは重大な状況でないことを意味するが)

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 浄化水、12月22日採取分の分析結果(第三者機関)

◎日報に新規事項の記載なし

サブドレン・地下水ドレン 排水に関する海水分析結果(1月4日採取分)

地下水バイパス 通算97回目の海洋排水を開始

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日12月24日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。(既出)

2016年1月6日午前10時9分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月6日

地下水バイパス揚水井分析結果(1月4日採取)

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

1月5日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月6日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月6日

H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4
E-1 5,400 5,900 5,500 6,600 7,400 7,200 7,500 8,000
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月6日

H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4
G-1 110 170 130 160 120 120 180 180
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4
G-2 350 380 380 350 330 430 240 300
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4
G-3 940 850 910 1,000 1,000 960 840 880
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0