8月30日、国会デモで周辺までをも埋め尽くした人々

2015年8月30日、国会前デモに行ってきた。

有楽町から歩いて、国会前広場にたどり着く。本日国会前だけで10万人動員という目標だと聞いたが、そこまでの人数には思えなかった。しかし、国会前広場に集う人々の熱気は凄まじいものがある。ひとりひとりが、叫ぶその声で、この状況を絶対に変えるという叫びだった。集会が始まって間もないのに声をからして叫ぶ声が方々から聞こえていた。

国会正門前広場から、ぐるっと国会の周りを回ろうとしたら、正面以外の国会に向かうルートのあちこちで、警察がバリケードを張っていた。「国会前広場は人で一杯なので、立ち入らないようご協力お願いします」。入場を規制する警察はそうハンドマイクで説明していた。あちこちで、「入れろ」「規制にご協力を」の応酬があった。

国会図書館前、三宅坂、隼町、平河町。国会議事堂の北側では国会周辺から出る人は通すが、入る人は拒む規制が何カ所もで行なわれていた。規制線の周辺に集まった人たちは、国会前までは入れないものの声を上げる。

戦争法案全体反対!
強行採決絶対反対!

国会議事堂を目にすることができない場所でとどめられた人たちからも、声があがる。国会周辺でのデモだったはずのものが、警察の規制線で遮られたせいで、国会周辺から外へと広がって行く。

上空にはヘリが飛ぶ。常時3〜4機のヘリが国会の上空を円を描く。

その真下で、そして国会からは離れた場所で、声が上がり続ける。

主催者側発表のデモ参加者は12万人。国会前広場だけではなく、周辺を歩いてみて、その数がむしろ控えめなものだということが実感できた。メディアが報じたのは国会周辺に3万何千人。たしかに国会正門前に集まることができた人数は3万人強だったかもしれない。しかし、そこまでたどり着くことができないながら、周辺でデモに参加していた人たちを勘定に入れれば12万人どころではなかったのではないか。

声が上がる。

多くの人たちのコメントがスピーカーから流される。

2015年8月30日、多くの日本人が、国会議事堂を目指して集まり、そこで個々に自分の声で表明した。

「私は戦争法案に反対です!」

たとえメディアが報じなくても、この日、ここで起きたことは間違いなく、時代のエッジを鮮明にする出来事だった。

雨の中、それでも集まった「数としてカウントすることなどできない人々」。そしてその多くが国会議事堂へ向かって発した声明「私は戦争法案に反対です!」

敗戦から70年、東京の真ん中で大きなうねりが生まれている。