海水浴シーズン真っ盛り、海の危険生物について Vol.9 ~オコゼ編~

オニオコゼ

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海水浴シーズン真っ盛り、海のレジャーを楽しまれる方も多いかと思います。そこで、海辺で楽しむ際に気を付けるべき海の危険生物をシリーズでご紹介していきます。今回は「オコゼ」です。

オコゼ

オコゼは背びれなどに毒のトゲを持っている魚です。オコゼとはオコゼ類の総称であり、なかでも毒の強さや被害件数の多さでよく知られているものにオニダルマオコゼ、オニオコゼ、ハオコゼがあります。

一般的な話として、オニダルマオコゼは大きいものになるとおよそ40cmほどになり、奄美以南の浅い海の岩礁などに生息しています。また、オニオコゼは体長約20~30cmで本州中部以南の沿岸部から水深200mほどの砂泥地の海底におり、ハオコゼは体長約10cmほどで本州中部以南の沿岸部の岩礁などにいると言われています。

しかし、国内では主に沖縄などの暖かい海にいると言われているオニダルマオコゼが本州で目撃されるなど、上記以外の場所にも生息しているので注意が必要です。

いずれのオコゼも刺されると腫れて激痛に襲われると言います。重症な場合には呼吸障害やけいれん、昏睡状態などに陥り、最悪、命を落とすケースもあるそうです。背びれのトゲは太く硬いのでウェットスーツやブーツなども貫くと言われています。

被害にあうケースとしては、釣り上げられた際に触って刺されることがあります。また、オコゼは砂地や海藻の中に隠れていたり、その姿が石や岩と大変似ているために一見してわからないことが多く、海水浴中やシュノーケリング、ダイビングなどの際に踏んでしまうケースも少なくないそうです。ときには40、50cmほどの浅瀬にいることもあるそうなので海へのエントリーの際にも油断は禁物です。

万が一刺されてしまった時は、目に見える大きなトゲを取り除き、傷口から毒を絞り出して病院へ行きます。オコゼの毒はタンパク質で熱に弱いために、火傷をしない程度の熱湯で温めます。また、オニオコゼなどの毒は酸性下でも不安定なために傷口に食酢を塗るのも有効であると言われています。

オコゼは海の中で見ると、ものの見事に周りの地形に擬態しています。一見しただけでは気づかないことも珍しくありません。ダイビングやシュノーケリング、また海水浴でも人が少ない場所で泳ぐ際には基本、海底や回りの岩に触れないようにした方がいいと思います。不用意にまわりの岩や海底、海の生物などに触れないことはオコゼだけに限らず、他の危険生物から身を守ることにもつながります。

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