8月18日発表の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」から引用します。驚きのあまり言葉を失ってしまいます。問題の箇所は日報のいちばん下の部分。K排水路という汚染水漏れ事故を起こした排水路の状況について、毎日状況やデータが公開されている項目です。
《K排水路の状況》
※耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、K排水路排水口ならびに港湾口連続モニタの監視を実施。
※なお、K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、8月17日夜の降雨の影響により、一時的にK排水路に設置した堰を乗り越え外洋側にも一部排水されていることを確認。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
2段目の「なお」以降、驚くべきことが記されています。「降雨の影響により、一時的にK排水路に設置した堰を乗り越え外洋側にも一部排水されていることを確認」とあるのです。
地下水バイパスの海洋排出や、サブドレン水の浄化後の海洋排出に関して、地元の人々がどれだけナーバスになっているのか、まったく「外洋側に排水されているのを確認」などと報告できる神経が理解できません。
外洋に溢れ出した水は、前日より1ケタ以上高濃度の汚染水
続いて、最新のサンプリング実績。「前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない」と記していますが……
同日発表された「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果」によると、18日に採取されたデータは、セシウム134、セシウム137、全ベータとも前日比で1ケタ以上の上昇を示している。そしてその原因は降雨の影響と説明しているのです。
降雨の影響で堰を越えて水が外洋に流出。しかも放射線量が高くなった理由も降雨の影響ということであれば、「降雨で高濃度になった汚染水が排水路から海に流出」という事態に他ならないではありませんか。
多少濃度が上昇しても、元は雨水だから汚染水ではないといった言葉遊びは地元の人たちに対してはもとより、国民全体への欺瞞。さらに外洋に流出ということは巨大な海洋に薄められるにしても、東京電力の事故原発由来の放射性物質が全世界に拡散していくことでもあるのです。
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以下、情報を追加します。
地下水バイパスの運用目標、WHO飲料水水質ガイドラインを上回る状態なのに、「前日の分析結果よりも低下していることを確認」。たしかに実際に下がって入るが、強調すべきことか?