思いもかけず! 気仙沼の秘密の楽しみ「古酒の利き酒」を体験させていただいた後に出かけた気仙沼みなとまつり「夜の部」。
漁船が並ぶ臨港通りには、なんと28団体もの太鼓団体が横一列に並び、夏の宵の口から「打ちばやし大競演」が始まりました。太鼓演舞の合間にはひょっとこ(? :左端のおじさま)踊りも登場して、海の太鼓の激しさとユーモラスな踊りに観衆もいっしょになってノリノリ♪
臨港通りにはねぶたも登場。左はおなじみ「ホヤぼーや」くんですが、右の子には始めてお目にかかりました。お名前は「よしぼう」。気仙沼商工会議所の「気仙沼∞全国展開プロジェクト」の公式キャラクターです。詳しくはこちら!
町おこしキャラって、「着ぐるみではない」、「中には誰も入ってません」と強硬に主張するものだと思っていたら、よしぼうは「ヨシキリザメの着ぐるみを着た子供」とのこと。着ぐるみを認めたキャラなんです。上のリンクページには、よしぼうが着ているヨシキリザメの着ぐるみのイラストまで掲載されています。「ちょっと生意気だけど、さびしがり屋のひねくれ者」って性格まで可愛いよしぼう、これから注目のお方です。(こんな新たな出会いも「祭り旅」の楽しみですね♪)
そしていよいよ、お待ちかねの花火です。気仙沼観光のショッピングスポット「お魚いちば」前では大群衆が歓声をあげます。もちろんワタクシも。
俳優の渡辺謙さんが気仙沼の方々とつくったカフェ「K-port」前では、ちょっと大人な雰囲気で花火鑑賞。
気仙沼の花火の特徴って、打ち上げる数を競うとか、新奇な花火を誇示するって感じからは程遠いんです。どちらかというとオーソドックスな花火なんだけど、夜空に浮かぶ花火と、湾奥を囲む陸地に響く花火の音と、そして観衆の反応を見ながら打ち上げられているのがよくわかる。花火師と土地の地形と観衆が一体となった競演。いい~花火でした。
競演といえば「海上うんずら」。海上ねぶたを思わせる壮大な船(大島フェリーを飾り付けしたのかな?)が、「どや節」の掛け声、そして花火とともに港をゆっくりめぐるんです。うんづらってのは「運を連ねる」という意味なのだとか。ありがたいものを楽しませていただきました!
だけど、そんな海上うんずらが巡る海と観衆の間にある空間は、現在も復興に向けての工事の真っ盛り。パワーショベルや海に沈めるアンカーも、気仙沼の夏のまつりに参加しているようでしたよ。
パノラマ写真では寂しげに見えるかもしれませんが、右も左も後方もたくさんの人でごった返していました。祭りに集う多くの人々と工事現場。こんな姿も、今年の夏だけに出会えた特別な風景なのかもしれません。
お祭りの時間はあっという間に過ぎてゆき。。。
打ちばやし大競演の太鼓団体の皆さんも撤収作業を急ぎます。
そんな人々を背後から、停泊中の漁船がライトで照らしているのです。このライト、集魚灯じゃなくてお祭用の特注かもしれません。お祭り会場から帰宅していくたくさんの人々を見送っているようにも見えました。
祭りの後のあの独特な寂しさを、ぱーっと打ち消して、また来年な~♪ と誘ってくれているかのような漁船の灯り。海の町の祭りっていい! 思い出になんかしたくない。きっとまた来年、来るからね~と誓った気仙沼みなとまつりなのでした。