この投書を読んだあなたが、もしも声を上げてくたならば、それは「私たち」の民主主義になる。
有名だがご存じない方もいらっしゃるかもしれないのでシェアしたい。19歳のアルバイト塔嶌麦太さんが朝日新聞「声」に投書した内容が、民主主義における市民としての責任を簡潔にまとめている。
「デモに行っても無駄」と多くの人は言うだろう。でも、私は法案成立を止められるからデモに行くのではない。止めなければならないからデモに行く。無駄かどうかは結果論だ。
引用元:塔嶌麦太さんの投書 朝日新聞「声」2015年7月18日
もう一点、注目してほしいのは次の一節だ。
戦争が起きてこの国が自由を失ったとき、やはり私はその当事者だからだ。
引用元:塔嶌麦太さんの投書 朝日新聞「声」2015年7月18日
選挙権を手にしていない若者に、こんな言葉を吐かせるような世の中にした「大人」たちは、彼の覚悟にどう応えるのだろうか。
私は、戦争で奪った命を元に戻すことができない。
もうひとつ、安保法制が強行採決された7月15日、SEALDsKANSAIの寺田ともかさん(21歳)による大阪駅前集会のスピーチが胸に刺さる。
だけど私は、海外で人を殺すことを肯定する勇気なんてありません。
かけがえのない自衛隊員の命を、国防にすらならないことのために消費できるほど、私は心臓が強くありません。
私は、戦争で奪った命を元に戻すことができない。
空爆で破壊された町を建て直す力もない。
日本の企業が作った武器で子供たちが傷ついても、
その子たちの未来に私は責任を負えない。
大切な家族を奪われた悲しみを、私はこれっぽっちも癒せない。
自分が責任を取れないことを、あの首相のように、「私が責任をもって」とか「絶対に」とか「必ずや」とか威勢のいい言葉で誤摩化すことなんかできません。
【スピーチ全文掲載】SEALDsKANSAIともかさん「安倍総理。民主主義が生きている限り、私たちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利がある。私たちは来年、戦後71年目を無事に迎えるでしょう」
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【スピーチ全文掲載】SEALDsKANSAIともかさん「安倍総理。民主主義が生きている限り、私たちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利がある。私たちは来年、戦後71年目を無事に迎えるでしょう」
SEALDsは明らかに左の組織のようではあるが、もはや右も左も関係ないだろう。日本の企業が作った武器で外国の子供が傷つくことに、どんな正義があるというのか。戦場で殺し殺されする可能性がある自衛隊員ばかりでなく、国民全員が海外での殺傷行為に手を貸すことになるわけだ。
SEALDsKANSAIともかさんはさらに厳しい言葉を安倍総理に突き付ける。
安倍首相、二度と戦争をしないと誓ったこの国の憲法は、あなたの独裁を認めはしない。国民主権も基本的人権の尊重も平和主義も守れないようであれば、あなたはもはやこの国の総理大臣ではありません。
民主主義がここにこうやって生きている限り、私たちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利があります。力があります。
あなたはこの夏に辞めることになるし、私たちは来年また、戦後71年目を無事に迎えることになるでしょう。
「戦後を続ける」という言葉に若者たちの覚悟がにじむ。(別のニュースでは、日本が集団的自衛権を行使できるようになることを見越して、アメリカの2016年予算では4万人規模の兵員削減が盛り込まれたという。法案が成立すれば、時を移さず海外派兵が実行に移される公算は非常に大きい。若者たちはその危機感を切実に感じ取っている)
わずか8分30秒の動画だ。ぜひ耳を傾けてほしい。
動画とスピーチ原稿の全文が掲載されている