回転している寿司と回転してない寿司

免震ゴムの構造を「ミルクレープ」に見立て、勝浦漁港で水揚げされた386kgの「クロマグロ」を知り、お吉さんゆかりの「三嶋大社」の画像をみているうちに、全部いっぺんに堪能したいと、まことに贅沢で横着な発想が湧いてきました。

まぁ、無理なんですけど。

と思いきや、ありました一箇所だけ。この3つが叶えられる場所が。

はま寿司三島中央店

『はま寿司三島中央店(静岡県三島市中央町3番37号 )』です。回転寿司のチェーン店です。

なぜ3つ堪能できるかというと、店舗は「三嶋大社」の斜め前。
「マグロ」はあります、当たり前。回転寿司です。

課題は「ミルクレープ」です。回転寿司では、デザートのスイーツも回っています。
ただ「ミルクレープ」に限定するとなると・・・

大丈夫なんです!
はま寿司は「ミルクレープ」が回っています。

かっぱ寿司やくら寿司では、「ミルクレープ」は食べることはできません。

ということで、「ミルクレープ」「マグロ」「三嶋大社」の3点セットは、日本では、ここ『はま寿司三島中央店』だけでしか体験できないのです。

大したことでもないことを、大騒ぎしてすいません。
それに、かっぱも、くらも美味しいデザートが回っています。
「クランブルチーズケーキ」とか「イタリアンティラミス」とか。
どの店も寿司より高い値段ですが・・・

これもリスクマネジメントなのか

気になったのはメニューではなく、ホームページです。

『はま寿司』は、上場企業のゼンショーホールディングスの100%子会社です。ゼンショーホールディングスといえば、ご存知の方も多いと思います。なか卯、ココス、ビッグボーイ、ジョリーパスタ、華屋与兵衛などの外食チェーンの総本山です。

「おいおい、抜けてるぞ」とご指摘を受けそうなのが、すき家ですね。そうです、すき家もゼンショーホールディングスグループです。お客さんの方が同情してしまうという地獄のワンオペ(ワンオペレーション)問題で揺れたすき家です。

「すき家は狙いやすい」と、ワンオペ状態での店で強盗も多発していましたから、昨年9月末までに2人勤務に移行できない店舗では、深夜営業そのものをとりやめるという決断は正解だったと思います。券売機ではなく、レジ対応ですから、深夜のワンオペでは、危なすぎます。

経営者の思いが、「接客」を大切にすることを重要視していたことは理解できなくありません。ただ、強盗により、アルバイト(店舗はほぼアルバイトで回している)が、強盗に襲われる危険性は相当高く、何か大きな事故が発生してからでは、取り返しのつかないことになるので、そうした被害が現実になる前に決断されたことは、良かったと思います。ワンオペは、接客、調理から清掃、ドライブスルー、在庫や金銭管理、翌日の仕込みまで、すべて1人でこなしていたわけで、会社も諦めたくないほど深夜の売上があったということは、かなり劣悪な労働環境を強いていた事になります。

結果、すき家の業績は悪化しましたが、人を犠牲にしないと成り立たない商売は、やってはならないということです。ましてや人命も犠牲にする可能性も高かったわけで、ビジネスモデルとして成り立っていなかったことになるでしょう。

で、さきほどの『はま寿司』のホームページの話に戻りますが、なか卯、ココス、ビッグボーイ、ジョリーパスタ、華屋与兵衛などと並べてすき家と記載しなかったのには意味があります。

『はま寿司』のホームページの会社案内では、グループ企業としてすき家の名前が載っていないのです。

ここを問題にしているのではなく、実は感心しているのです。

すき家は知らない人のほうが圧倒的に少ないほどの有名企業です。普通は会社概要のグループ企業の欄には、有名企業を記載するものです。あえてすき家を外しているということは、イメージ戦略かもしれません。今はあまりすき家の名前を出さないほうが無難かなと。寿司を食べに来るお客さんの興味は、メニューと値段と味と待ち時間。ホームページで詳細を調べてまで、他の回転寿司と比較検討まではなかなかしませんから、すき家を外したイメージ戦略は、「採用」絡みかなと、勝手に想像しました。

そして、これもリスクマネジメントだなと。

回転寿司のメニュー表示は偽装だという意見

よく出る話です。

まず自分の結論を言いますと、回転寿司に関しては、「どっちでも良い」です。

そしてその理由はいたって簡単。回転寿司のメニュー表示が偽装にあたるかどうかではなく、そもそも回転寿司は、「寿司風ファストフード店」なんです。

「お化け屋敷」ってありますよね。お祭やテーマパークにあるやつ。あれに「本物のお化けがいない」と目くじら立てて怒る人はいません。「お化け風屋敷」なんです。「回転寿司」もその類とすれば良いのです。

テーブルの端末で注文は出来ますが、そもそも頼まれてもないものを勝手に作って回している時点で、お寿司屋さんとは業態が違うわけで、「サーモン」は「ニジマス」で代用しているとか、「カツオ」は「アロツナス」だとか、「エンガワ」は「ヒラメ」じゃなくて「オヒョウ」だとか、どうでもいいです。

みんな薄々気がついていて、100円で気分を味わってるだけだから、夢を壊さないで!ってことでどうでしょうか。

ちっちゃな子供連れで、高級な寿司屋なんて行ってご覧なさい。破産です。子供は値段を気にせず、ホントに美味しいのばかり頼むだろうし、それはダメって親も恥ずかしくて言えませんよ、寿司屋では。

だいたい自分も小さい頃に寿司屋なんて連れて行ったもらった記憶がありません。そこはキッパリ!

ただ、安全なもので代用して頂きたいとは思いますが、ダマされるほど上手い代用魚の開発には、ある意味頭が下がります。

「ロブスター」を「伊勢海老」と言い張って高い値段ふっかけるホテルと分けて考えませんか。

「本マグロじゃないもの」を「本マグロ」って書いてある札の次にぞろぞろ並んだ
100円の皿を見て、「お、本マグロみたいな感じで食べられる味なんだ」ってわかった上で、皿をとっているのです。「本マグロ」と自分に言い聞かせて。

それを正式な名称で表示したら、「炙りカツオ」が「炙りカツオ風の炙った風アロツナスの表面焦がし乗せニギリ風型つめ込みシャリの寿司風」なんてなるし。

プロレス技か!!すげー痛そうだな。

プロレスの実況でも噛むぞ。

ホントはダメなんでしょうけど、回転寿司だけは、庶民の楽しみとして、一定のルールの元に今の形態で存続してほしいな。

ただ危惧することが一つだけあります。

今の子供たちが、将来大人になったとき、本当のお寿司屋さんを『偽装回転寿司』として、どうか告発しませんように。「あそこの寿司屋、回ってないぞ!」って。

総理やメディアの偉い人が行く回ってないお寿司屋さんがあることを、成人式より前に必ず子供に告白することを親の義務とでもしましょうか。