まもなく2015年のJリーグが開幕する。昨年からはJ3(3部リーグ)を設立し、今年はすべて合わせると52クラブにものぼる。多すぎるようにも見えるが、Jリーグが掲げている活動方針を見るとその理由がわかる。
Jリーグの活動方針
3.地域の人々にJクラブをより身近に感じていただくため、クラブ施設を開放したり、選手や指導者が地域の人々と交流を深める場や機会をつくっていきます。
Jリーグが創設時から一番の目標としているのは「地域活性化」とのこと。サッカークラブがあることによって人と人が繋がり、町が盛り上がる。それが全国に広まれば日本中が元気になるということだ。
コバルトーレ女川の役割
そんな中、東日本大震災で多大な被害を受けた宮城県の牡鹿郡の小さな町で活動する地域密着型のクラブがある。
コバルトーレ女川。現在はJリーグ5部に相当する東北社会人サッカーリーグの1部に所属している。女川町を拠点にするクラブとしての役割はホームページにも掲げているとおり「地域貢献」だ。
ただ「試合で勝つ」ことが全てではなく、「町を元気にすること」。ということを第一に掲げ、日々努力している。
震災からの道のり
東日本大震災の影響を受け、クラブハウスや選手の寮が全壊し存続さえも危ぶまれた。
「サッカーができなくなってしまうのではないか。」という不安もあっただろうし、ほかの地でサッカーをするという選択肢もあったと思う。
それでも、クラブスタッフ、選手たちが地域のために動き続けた。
震災の翌日から避難所に出向き、勤務先で発行した新聞や工場で作った食品を配ったり給水車で被災者に水を届けたとのことだが、ある選手が「気づいたら体が動いていた」と話していた。サッカー選手ということでなく人間として凄いと思った。こういう人たちがいるからこそ、地域との深い絆が生まれるのではないか。
これまで、サッカーをすることの葛藤や設備の復旧など、さまざまな困難もあったがクラブ全員の努力と地域の人たちだけでなく世界中の人達からの協力を受け2011年12月からサッカー活動を再開することができた。
これからは地域のために勝つ!!
まもなく震災から4年。
当時は2部リーグだったが、2012年に1部昇格を果たし昨年は首位と勝ち点3差まで迫るほどの躍進を遂げた。
目標の「2017年のJリーグ入り」を目指しチームが着実に力をつけている中、参入基準に必要な設備、スタジアムの建設も検討されている。
また、下部組織で育った選手がトップチームに昇格するという育成の流れも出来つつある。将来、チームを支えるバンディエラ(地元で育った看板選手)が出てくることを期待したい。
「地域に生かされている」
そのために地域活動に貢献する。試合で結果を出して町を盛り上げる。
これもクラブのホームページで表明している。
このクラブがあれば、地元だけでなく世界中の人を元気にすることができると思う。自分も元気や勇気をもらったし、多くの人に知ってもらいたいとも思った。
今年のリーグは4月上旬に開幕する予定となっている。
クラブのさらなる発展、Jリーグへの参入を願って静岡から応援していきたい。